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AIメカテック(6227) 23/6Q2WEB説明会、 M&A効果もあり24/6期収益上伸期待

23/6期予想変更なくM&A寄与でも減額懸念も24/6期は半導体向け拡大で収益上伸期待

 

株価1372円(2/27) 時価総額77億円  発行済株数5630千株

PER 23/6期DO予(13.8X) PBR1.03倍 配当 予45円 配当利回り:3.3%

 

要約

・23/6期上期は4.1%減収、営業損失2.24億円、受注23.7%減も受注残は4.4%増に

・23/6期予想変更なくM&A寄与で23.1%増収、91.5%営利増維持予想も減額懸念

・24/6期は半導体関連の拡大、IJPの本格拡大、さらにM&Aフル寄与で収益上伸見通し

・25/6期売上高250億円以上、営業利益25億円以上を目指すがM&Aなどで上振れ期待

・株価はM&A効果も減額含みで当面はややポジティブ継続、24/6期収益見通しで変更も

 

 

23/6期上期は4.1%減収、営業損失2.24億円、受注23.7%減も受注残は4.4%増に

 

 プロセス技術、微細塗布技術、高精度位置合わせ技術、フィルム貼付け技術、真空制御技術の5つのコア技術を組み合わせ事業展開。現在、LCD事業、IJPソリューション事業、半導体関連事業の3事業で事業展開。2/7に23/6Q2決算が開示、2/24にWEB説明会が実施された。

 

 23/6期上期は売上高52.0億円(4.1%減)、営業損失2.24億円(同期比4億円悪化し赤字転落)、経常損失2.97億円(同4.41億円悪化し赤字転落)、受注68.46億円(23.7%減)ながら受注残高は159.18億円(4.4%増)と微増を保った。なおQ1が前年同期比50.8%減収、営業損失5.12億円(8.5倍悪化、4.52億円悪化)に対し、Q2は前年同期比40.5%増収、22.0%営利増、Q1対比では売上3.0倍、営利2.88億円(8.0億円改善、黒字転換)と、期ずれなどの影響が緩和し、収益は急回復している。

 

 半期セグメント別では従来売上の6割程度を占め主力であったLCD事業が売上高20.72億円(30.1%減)、構成比40%と落ち込み、営業損失0.75億円(4.80億円悪化し赤字転落)、受注17.51億円(55.4%減)、受注残35.58億円(47.7%減)と低迷した。パネル市況の低迷を受け設備投資の減退、先送りが影響、製品売上が18.81億円(20.1%減)と低迷、加えて部材供給制約、中国でのコロナ対策から作業時期見直し・遅延による収益性の高いアフタサービス(AS)案件ずれ込みでAS売上が1.91億円(68.8%減)も影響、大幅赤字に。なお四半期ではQ1が49.1%減収、営業損失1.73億円(2.98億円減少、赤字転落)、Q2が11.1%減収、64.9%営利減とQ1ボトムに営業赤字からは脱却している。

 

 IJP事業は売上高19.11(58.1%増)、営利1.72億円(97.6%増)、一方で受注は22.17億円(29.1%減)となったが、受注残は52.34億円(12.4%増)に。AR/VR向けのマイクロディスプレイ向け装置の売上が出始め大幅増収となったが、一方で、受注は部材供給制約、コロナ感染で引き合いは強いものの発注の先遅れなどがあり減少、受注残高は売上で一部納入遅延などから受注減でも受注残が積みあがった。

 

 半導体関連は売上高12.17億円(2.6%減)、営利2.36億円(0.5%増)、受注28.58億円(45.3%増)、受注残71.24億円(88.0%増)に。中心となる先端パッケージ向けFCBGA基板向けマイクロボール搭載システムはメモリ中心に市場が在庫調整にある中で受注が伸長、売上面では部材供給制約による長納期化が続き生産が計画通りに進まず伸び悩み、受注残高が大きく積みあがった。利益面では減収ながら先端半導体向け増で収益性を確保し増益に。

 

  全体を通じLCD向けの収益の落ち込みを半導体事業、IJP事業で補う計画も、部材供給制限、中国のコロナ影響によるロックダウンなどで売上遅延などが生じ、受注残高として積みあがった形で補えきれず大幅な収益悪化となった。

 

23/6期予想変更なくM&A寄与で23.1%増収、91.5%営利増維持予想も減額懸念

 

 23/6期会社予想に対し、上期の収益進捗率は売上で28.8%、営業利益は16.32億円不足となっており、半期予想を開示していないものの、23/6期予想の達成が難しいと考えるのが一般的と言える。しかし会社側では毎期Q4に売上集中することが多く、23/6期についても同様の動きとなる、また部材調達制約などが緩和され、中国のコロナ影響も一巡し正常化するとの見方をとっている。このため23/6期会社予想に変更はなく、売上高180.79億円(23.1%増)、営利14.08億円(91.5%増)、経常利益12.91億円(90.1%増)、税引利益8.77億円(83.3%増)予想を据え置いた。逆算して、23/6期下期は売上高128.79億円(同期比39.1%増、上期比2.5倍)、営利16.33億円(同2.9倍、同18.58億円改善し黒字転換)予想となる。

 

 通期のセグメント別でも変更はなく、LCD関連が売上高50.6億円(42%減)、営利6.41億円(28%減)、IJP関連が売上高65億円(2.3倍)、営利9.61億円(5.6倍)、半導体関連が65億円(2.1倍)、営利10.68億円(64%増)、営業利益で共通費12.6億円(29%増)予想としている。このため、下期だけを取り出すと、LCD関連が売上高29.89億円(同期比47.7%減)、営利5.76億円(同17.8%増)、IJP関連が売上高45.97億円(同2.8倍)、営利8.28億円(同9.9倍)、半導体関連も売上高52.91億円(同2.8倍)、営利9.63億円(同2.3倍)予想となる。

 

 現状、半導体関連事業は受注残高が71.24億円まで膨れ上がっており、昨今の部材不足の緩和などもあり下期売上での挽回が期待される。しかし同社ユーザーはインテルに納入している韓国サムスン電子や台湾ユニマイクロンなど、国内は京セラ、三菱電機などが主力ユーザーとみられ、最大手のイビデン、2位の新光電気工業などは自社もしくは関連企業を利用している模様。現在サムスン電子はベトナムにFCBGAパッケージ新工場を建設中で2023年後半に生産開始の予定ながら、設備納入が一部24/6Q1にずれる懸念がある。一方、国内では京セラが鹿児島国分工場に設備増強しており、こちらは計画通りに進んでいる模様。全体としては海外向けで遅延の可能性があり既存事業では収益未達が懸念される。またFPD関連では受注低迷、受注残高も急減しており、売上未達の可能性が高い。さらに利益面では稼働率低下でASも低迷が続くと判断、同事業は収益未達成の可能性が濃厚と言える。IJPについてはQ2で納期ずれのものは期末集中の売上計上がなされるとみられ、会社計画並みが見込まれる。全体を通じ、半導体、LCD分野で会社計画未達成が見込まれる。但し今回、3/1に東京応化工業から吸収分割で設立された子会社のプロセス機器事業分割準備株式会社を吸収合併することを決定、下期に4か月分の売上が半導体関連事業として連結されることになる。現状、収益寄与、のれん発生の有無について開示は無いが、22/12期の東京応化工業(tok)の装置事業収益が売上高51.05億円、営利7.9億円を計上しており、単純に1/3を見積った場合、売上で17億円、営業利益で2.6億円程度上乗せされる計算となるが、この分の上乗せで売上が達成できても収益性でMIX悪化となる。このため、FPD関連の減額を埋めきれず全体として会社計画達成は難しいとみられ、営利最高益更新とはならず21/6期水準に戻る程度に止まろう。

 

24/6期は半導体関連の拡大、IJPの本格拡大、さらにM&Aフル寄与で収益上伸見通し

 

 24/6期は半導体関連事業が先端半導体の生産拡大により、パッケージ需要は微細ボール化、ボール搭載個数の増大等が続く見通し。現在マイクロボール搭載システムでは、半導体パッケージング基板の進化とともに多端子化、薄型化、微細化が進展。FPGA(ファインピッチBGA)など1000を超える端子を実現している。最近はSIP(システムインパッケージ)、次世代チップレットとなども増加の一途で、マイクロボールボンダ装置の拡大が続く見通し。また中国では漸くBGA基板が本格拡大、中国向けも拡大が見込める。同社の競合企業は未公開のアスリートFA、澁谷工業の2社で、同社は60%シェアを有する。今後、先端パッケージでマイクロボール30μが視野に入り、同社の優位性が一段と発揮されよう。また同社は先端基板向けに加え、スタンダード市場にも本格拡大を目指す。この分野では電子部品実装機で実績のあるJUKIとコラボし、コストパフォーマンスに優れた製品投入で先端パッケージ市場と同じ程度市場でもシェア拡大を目指す。さらにFan-Out/Inパッケージ市場でもJUKIとコラボし受注拡大を狙う。また東京応化工業から移譲を受けた装置事業が連結でフル寄与する。tokの装置はウエハハンドリング(ウエハ薄板化)システム、4~6インチで用いられるパワー半導体向けのプラズマ装置、UV装置など。ウエハハンドリングシステムは2.5D、3Dパッケージ用チップで薄化が進展、ニーズが高まりつつあり、後者もパワー半導体の設備投資の継続的な拡大で伸長が見込まれる。このように東京応化の装置部門買収のフル寄与、JUKIとのコラボレーションも寄与が見込まれ、半導体関連収益でのジャンプアップが期待される。

 

 IJP事業ではアップルなどもVR、AR対応を本格化しつつあり、マイクロディスプレイ用の受注拡大が期待される。同社の強みは他社が一部しか機器製造していないのに対し、一括で封止ラインすべてを揃えることができる点。実際、一括ラインの受注実績が拡大している。またQD-μLEDは大型化対応も具体化する可能性があり、受注拡大が続こう。さらにIJP事業ではARグラス普及に欠かせないグラスの軽量化に対し、ナノインプラントによる薄化・軽量化ニーズが高まりつつある。ナノインプラントとして既に視認性を高めるワイヤグリッド偏向板は量産納入を始めているが、現在、反射防止膜のサンプル出荷を他社に先駆けてスタート、早晩量産を始めたい意向。さらに光導波路も開発中で、この3部品の供給ができれば本格的な超軽量のメタバース用ARグラスの投入が可能となる。

 

 全体を通じ生産能力はユニット生産で協力会社などを利用できき、多額の設備投資は必要ないと見られ、24/6期は収益上伸、最高益更新が見込める。

 

25/6期売上高250億円以上、営業利益25億円以上を目指すがM&Aなどで上振れ期待

 

 会社側では時代のニーズに即した事業構造の変革で持続的な成長を可能にし、25/6期に売上高250億円以上、営業利益25億円以上の達成を目指している。現状示されている25/6期の事業別売上では、半導体が売上構成で40%、利益構成では47%、IJP事業が売上で35%、利益で40%、そして従来主力だったLCD事業が売上構成で18%、利益で20%の構成を描いている。しかし今回のM&A、JUKIとのコラボなどで、計画以上に半導体関連事業の比率が増す見通しとなった。また一方で、LCD事業については新規案件の拡大の可能性が低く、メンテナンス、改造需要が中心となる見通しで、結果として構成比がさらに低下するとみられる。IJP事業についてはメタバースのでのコンテンツなどがどの段階で爆発的な動きを見せるかで違った動きとなる見通しも、当面は会社計画並みの推移が見込まれる。いずれにしても今回のM&A、コラボの効果が大きく、25/6期計画を上回る収益拡大が期待される。

 

株価はM&A効果も減額含みで当面はややポジティブ継続、24/6期収益見通しで変更も

 

 株価は2021年7/30の公開価格1920円の公開時からすぐに人気離散し、業績も伴わず継続的に値を下げ、第2四半期発表2/10後の2/24には1069円の安値まで下落した。その後は1200円~1500円で推移した。11/8の23/6Q1発表で大幅営利赤字も通期予想に変更なく、悪材料出尽くし感もあり12/5には1724円まで戻したものの長続きせず2/7のQ2決算でも営利赤字継続となったこともあり、1300円台に止まっている。現在、株価は会社予想EPS155.77円に対し8.8倍水準と、東証スタンダード機械平均PER15.4倍に対し割安感があるが、同様の貼り合せなどの類似企業もPER8~10倍と割安感はない。今期収益はM&A効果でも多少下振れ懸念があり、当面、ややポジティブ継続としたい。但し24/6期は収益上伸で最高益更新が見込まれ、変化率が確認できれば株価は大きく変化する可能性がある。

 

 

*類似企業のタツモ(6266)、石井表記(6336)、ローツェ(6323)-との比較

 

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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