DSEIで見た「アンチドローン」の開発 韓国企業「DYMSTEC」
ドローンや無人化というシステムが登場して数年になるが、それと同時に防衛の分野でも、このドローンというシステムが転用されている。
現在、ウクライナ戦争でも、ドローンを使った攻撃や、ドローン攻撃に対して、攻撃を防ぐ戦術やシステムが戦場で運用されている。
多くのドローン対策は、いわゆる物理的にドローンを破壊する「ハードキル」というものであるそうだが、今回、攻撃に使われたドローンを、周波数を遮断、可能であれば、自陣側に支配し、逆に対象ドローンを操る(ソフトキル)というシステムを開発した韓国の企業を取材した。
自国が「ドローン」の脅威にさらされ開発
この企業は韓国企業「DYMSTEC」という企業で、DSEIでは、同社が開発したいわゆる「アンチドローン」システムを紹介している。
このシステムは、敵ドローンを察知した後、ドローンを操っている周波数を遮断し、逆に制御可能であれば、周波数を逆に支配し、敵陣に送り返すといったもの。
同社ブース担当者は、
「例えば、こちらに来るドローンが爆発物を伴っての攻撃であれば、その周波数を遮断、こちらの制御に支配し、強制的に着陸、または敵陣に送り返すことを目的としている。」と話す。
同社のブースには、早くも東南アジア方面から、日本の自衛隊関係者も興味を示しているという。
このような高度な技術開発の陰には、自国がドローンの脅威にさらされている影響があるという。
韓国は現在、某国から飛来するドローンに対し、手を焼いているという。
ブース担当者は
「実は最近も、首都ソウルの上空にドローンが入り込んだケースがあったが、その時、このドローンに対して何もできなかった。そのような経緯から、このような敵のドローンを制御する、いわゆる「ソフトキル」の開発を行った。」と話す。
かつて、第一次大戦時(1914~1918年)に、現在に繋がる兵器が開発されたが、その代表例である「戦車」が登場すると、同じくこの新兵器に対する「アンチタンク(戦車)」の開発がなされた。第二次大戦(1939~1945年)になると、戦場の主役となった戦車に対して、様々な「アンチタンク」の技術開発がさらに激化し、現在の戦場の形を形成することとなった。
時代は流れ「ドローン」という新開発が戦場を飛び回っている中、様々な開発が行われ、同社のような「アンチドローン」という開発が生まれた。
まさに「歴史は繰り返す」ということを目の当たりにしているが、この開発が、自国の国防という分野に浸透していく必要があるように思えた。
(IRUNIVERSE Hatayama)
関連記事
- 2024/04/25 トヨタ:トヨタ、ダイハツ工業、日野自動車2023年度 販売・生産・輸出実績を発表
- 2024/04/25 DOWA:通期連結業績予想の修正に関するお知らせを発表
- 2024/04/25 日系自動車メーカーでも採用が進むギガキャスト
- 2024/04/25 太陽誘電 (6976東証P)MLCCは回復局面 目標株価引き上げで投資判断ニュートラルへ
- 2024/04/25 2024半導体動向#9 特定用途向けIC ASIC
- 2024/04/25 中国・天斉リチウム業、1~3月期は赤字転落=深セン証取が説明要求
- 2024/04/25 車載バッテリー需要、10年間で10倍に IEAリポート、EV普及の流れ変わらず
- 2024/04/24 露ノルニッケル、中国で銅精錬施設を合弁設立か 社長が明かす、2027年までに実現へ
- 2024/04/24 生産動態統計(24年2月):カーボンブラック
- 2024/04/24 タングステン輸出入Report#89タングステンAPT輸入 台湾からの輸入急増中