テスラに続き日産自もLFP傾斜か、アジア圏はLFPが主流となる
2023/06/01 09:08 FREE
今後EV車用バッテリーのニッケル・マンガン・コバルト系(NMC)バッテリーの生産が拡大すると、ニッケルやコバルトの不足が予想されている。その時期は2025-26年にはキーメタルの材料不足が世界的に予測されている。
一方で世界のEVバッテリーの半分以上を生産する中国のバッテリーメーカはリン酸鉄リチウム電池(LFP)に大半を依存しており、NMCに比べて価格競争力があり、電気容量ではNMCに劣るものの、充放電回数などは圧倒的に安定している。
アジアの軽自動車はLFPが更に拡大する可能性があったが、中国以外の自動車メーカでLFPを積極的に採用しているのはテスラだけであった。
本日6月1日の朝日新聞に日産自動車が本格的にLFPバッテリーの開発に着手するとの見出しが出た。日本の自動車メーカのEV対策が世界的見て少々遅れている事が懸念されてきた。
北半球の北側で北極圏に近い国は気候的にアジア圏と比べて気候の違いがある。特に欧州の北側のスカンジナビア半島やカナダは非常に冬の気温が低下する場所であり、EV化する上で気候の変化に対応できる高性能のバッテリーは必然的に高容量である事が求められる。
一方でニッケル、コバルトを使用しないLFPバッテリーはニッケルやコバルトの不足を補完する可能性が否定できない。アジア圏がLFPバッテリーを積極的に採用する事は、世界的なニッケル、コバルト資源不足を和らげる効果は資源価格の高騰を防止し、EV化の加速に貢献する事は温暖化防止の流れに沿ったことである。
日産自動車がLFPの採用した事は三菱自動車やルノーのEV戦略にも影響がある。日産自動車のLFP開発の決断に敬意を表したい。
(IRUNIVERSE Katagiri)
関連記事
- 2024/03/28 【貿易統計/日本】 2024年2月の硫酸ニッケル輸出入統計
- 2024/03/28 TRE HDのリバーELV 川島事業所 プラスチック専用破砕機を導入
- 2024/03/28 住友金属鉱山:リチウムイオン二次電池リサイクルプラントの建設を決定
- 2024/03/28 鈴木(6785)24/6H1決算説明会メモ等 ポジティブ継続
- 2024/03/28 太陽光パネル 中国が再び不当廉売関税の渦中に トルコが「迂回クロ認定」
- 2024/03/28 中国 NEVの過剰生産能力と価格競争に警戒する必要がある
- 2024/03/28 日本ゼオン Lib安全性技術の米国スタートアップ・Coreshell 社に投資
- 2024/03/28 欧州からの風:2024年3月#7 Northvolt、EU支援の恩恵を受けドイツにギガファクトリー建設開始へ
- 2024/03/27 トヨタ:「トヨタバッテリー」の名で多様な電動車用バッテリーを提供する会社へ
- 2024/03/27 FDK:通期連結業績予想の修正、特別利益および特別損失の計上と役員の異動に関するお知らせ