中国電池の国軒高科、モロッコにバッテリー工場を建設へ 欧州車向け需要見込む
2023/06/09 11:36
北アフリカのモロッコ王国政府は6月1日、「中国バッテリー大手の合肥国軒高科動力能源との間で、同国での工場建設を検討することについて5月31日に契約を締結した」と発表した。モロッコには欧州の自動車メーカーが工場を置いており、電気自動車(EV)向けバッテリーの需要を期待している。
締結式にはモロッコのアジズ・アハヌッシュ首相が立会った。モロッコ・ワールド・ニュースなどの報道によると、国軒高科による投資規模は650億モロッコディルハム(約64億米ドル=9000億円)程度で、約100ギガワット時の生産能力と、10年間に2万5000人規模の雇用産出を見込む。
モロッコはコバルトやリン酸塩などの地下資源が豊富である一方、欧州への地理的な近さから既にルノーやクラスターといった欧州の自動車や自動車部品メーカーが工場を構える。EV時代を迎え、モロッコとしては同国の自動車関連産業を強化したい考えだ。
一方の国軒高科は、2021年にフォルクスワーゲン(VW)と合弁でドイツに工場を設立すると発表するなど、欧州事業を強化している。モロッコ側の発表資料によると、国軒高科の李ゼン董事長は締結式で、「モロッコ工場は同社初のアフリカ工場であり、バッテリーと再生電池の発展を支援する同国の取り組みに感謝する」と述べた。
(IR Universe Kure)
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