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欧州酸化チタン最大手のベネターが破産申請 米利上げに伴う信用収縮で、銀行から業種拡大

 英化学メーカーのベネター・マテリアルズは5月15日、自社ホームページ上で、米国の連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。米国では2022年から続いた利上げのあおりで、体力の乏しい企業の破産が相次いでいる。酸化チタンの欧州最大手も信用収縮の波に巻き込まれた。

 

 ベネターの破産申請は、今後数年間に満期を迎える社債の借り換えが難しくなったため。発表資料によると、同社は今回の申請により、支援者などから最大2億7500万ドルの資本注入を受けることができる。業務は通常通り運営するが、ニューヨーク株式市場での上場は廃止する。同社のサイモン・ターナー会長兼最高経営責任者(CEO)は発表資料中で、「2022年は世界的な景気悪化による需要減の一方で輸送コストなどがかさみ、厳しい経営状況に悩まされてきたが、今回、適切な法の処置を受けることによって困窮から脱することができ、企業の長期成長に結び付けることができる」と述べた。

 今回の社債の債務者は24人・機関に上る。ロイター通信の5月半ばの報道によれば、同社は5月初旬にテキサス州の裁判所に申請した書類で、自社の価値について資産と負債を併せて10億~100億ドル程度と見積もっていた。ロイターは、同社の場合は英国企業の財務地盤の弱さも背景にあったと示唆した。

 

 米国では5月までに急激な利上げに伴う債務状況の悪化から銀行破綻が相次いだが、その後は同様の事態が業種を問わず増えている。5月15日にはベネターを含め、石油会社のコックス・オペレーティングなど合計7社が24時間以内に連邦破産法11条の適用を申請し、話題になった。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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