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日本を憂う 中国と良き関係を築くコツ

 先日、中国と鉱物資源で長い取引関係をもっている方にここ最近のレアアース市場なども含めた情勢を伺った。その中で注目されているのが、現在の米中関係を軸にした日本の立ち位置である。

今回の記事では対談形式でその概況を伺っていく。

 

 ―家電業界が現在中国市場で調子が悪いので、レアアース市場の業績が振るわなかったという見方がされています。

一方で電動化の波は確実に来ており、都市圏ではほぼ電気自動車や電動バイクがモビリティの主流となっています。

このあたりの流れはどうでしょう?

「ネオジム磁石はまだまだ需要があります。

一方でアメリカは磁石の輸入に慎重な動きを見せていますが、自分達で製品を生産できる状況ではまだ無い状態ですね」

 

―インドネシア産のニッケルに関しては輸入を認める、という流れもありますよね。

インドネシアでは中国も存在感を強めているようですが。

「このインドネシアの情勢に対して、地政学的に近い日本はもう少し思慮を巡らせるべきではないでしょうか。

アメリカも中国も、表面上は貿易関係で対立している様に見えますが実際は相当強かなやり方でお互いに取引をしているはずです。

国際的な動きに対して過剰に騒ぐ事は悪手なのではないでしょうか。

アメリカも中国もそうですが、国家である以上『自国の利益』を最優先にして動くのは当たり前です。

その為に日本も『自国の利益』が何なのかを見据えて、付和雷同する様な動きは避けるべきかと考えます。」

 

 ―脱中国の流れが進みつつありますが、実際には画餅という事でしょうか。

「現状の食料自給率や半導体の生産材料など、色々な所で中国と日本は貿易を行っています。

急にそれらの供給がストップしたら、国として産業がたち行かなくなるでしょう。

だからこそ取引をしっかり行い、どうやって関係性を長く継続して行けるかという国としての立場を考えなくてはいけないですよね。」

 

「中国と日本はお互いを必要とする関係、いわゆるマトリクスを考えなくてはいけない時に来ています。

日本にあって中国に無いものは昔は多かったですが、現在はほぼ無くなりつつあります。

一方で中国にあって日本に無いものが増えている現状、日本としては謙虚になってスタンスを振り返った方が良いと見ています。

米国も中国もロケット開発において先を進んでいる現状で、日本はきちんとロケット開発を満足に出来る体力があるのかという事例からも分かるかと思います。」

 

―種子島宇宙センターからロケットをしっかり打ち上げられるのかという事ですね。

「そうですね、実際に有人飛行に手をかけているという話も聞いていますから。」

 

「東南アジアのタイで家電売り場を見ていたんですけれど、東芝や三菱、日立といった日本のブランドがずらっと並んでいた時期がありました。

それが今ではサムスン電子やLG、ハイセンスや台湾製のブランド家電等が一様に並んでいる中で日本は端の方だったんですよ。

一昔前にブラウン管テレビは液晶テレビやプラズマテレビと戦っている、という印象があった時期に既に売り場ではブラウン管テレビの居場所がありませんでした。

そのブラウン管テレビの立場が今の日本の立ち位置であり、先進国や技術大国というプライドを捨てて周辺国の技術を学び直すべきですね。」

 

 ―今はバッテリーに関しては中国が主導権を握っていますね。

「中国はバッテリー事業において、リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーの実用化に大きく力を注いだ時期がありました。

世界各国が成功率は低いだろうと冷ややかな見方をする中で、技術的にそれを結実させたんですよ。」

 

―RT Hi-Techの様な中国大手のLFP材料メーカーなどは、かつて日本の電池メーカーからは門前払いを受けたことがあり、それがいまもトラウマになっていると聞きました。しかし日本も今後LFP電池の製作は各企業ともに必須な流れとなりそうですね。

「日本の技術姿勢が悪いわけではないのですが、凝り性過ぎる気風で固まってしまい社会実装の可能性が低くなってしまっているのは大きなネックでしょうね。

100点の製品が完成するまで技術研究を続けるよりも、80点の製品を一度社会に出した上でブラッシュアップする様な姿勢は必要でしょう。

その為にも上意下達をしっかりと出来、それでいて強硬であっても社会に意志を通す社風を企業が作らなければならないと感じます。」

 

 ―現在中国からの観光客の入りはそこまでではない状況ですよね。

「今のところ観光ビザがオープンにはなっていないので、それがオープンになった時の観光客の増加具合はすごい事になりそうですね。

現在年間の観光客はようやく2000万人を超えた程だと発表がありましたが、中国からの観光客が日本に訪れた場合その総数はおおよそ倍の合計4000万人程にまで膨れ上がるのではないかと考えています。

日本の総人口の3分の1に相当する人数が一年間に入れ代わり立ち代わり国内に訪れる上に、彼らは動けない高齢者ではなく『まだ動けて観光も出来る人々』です。

日本の現在の人口の年齢比率から考えれば、日本における労働人口とほぼ近い程に観光客の実数が増えるんじゃないでしょうか。」

 

 

 ―話を戻しますが、レアアース市場は現在どういう調子でしょうか?

「低調な状況が続いていますね。自動車も含めた需要が余り見込めない状態が続いている為、生産状況の改善に併せて需要が伸びるのではないでしょうか。」

―主力製品の磁石業界が現在低迷している影響は大きいでしょうか。

「自動車やバッテリー、コンデンサーや触媒といった市場のいずれも暗い影を落としている状況ですね。」

―タングステンに関しては現在価格が安定している状況ですよね。

「無駄な生産を中国は行っていないことで供給は絞られています。在庫も含めて価格動向のチェックが行われ続けているのでしょう。」

 

 ―世界のWC(タングステンカーバイド)メーカーにおけるリサイクル材の使用比率についてはどの様に見通していますか?

「日本においてはリサイクル率は30%ですが、欧米では50%近くにのぼるものと見ています。

日本の大手としては三菱マテリアル株式会社(日本新金属株式会社を擁する)や住友電気工業株式会社(株式会社アライドマテリアルを擁する)でしょうか。」

 

 まだまだ影響力の大きい中国、そして相反する米国の間で揺れ動く日本の今後をどの様に見定めていくのか。移り変わる世情はまだ落ち着く気配を見せていない様である。

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)

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