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タカノ(7885) 23/3期WEB説明会展示会出展メモ  ポジティブ継続

23/3期は3.3%増収3.8%営利減予想も来期は半導体検査装置、LiB検査装置で収益上伸へ

株価820円(7/21) 時価総額129億円    発行済株15,721千株      

PER(24/3DO予:13.2X)PBR(0.41X) 配当20.00円   配当利回り:2.4%

 

要約

・23/3期は1.3%増収ながら12.6%営利減、部材調達難など響き下期挽回も計画比未達

・24/3期は半導体検査装置拡大が本格化、12.4%増収25.1%営利増見通しは税引除き達成へ

・現業技術の横断的な組合せと医療機関との連携で体外診断用医薬品市場へ新規参入

・25/3期は検査計測で半導体検査、バッテリー検査装置拡大で収益上伸期

 

23/3期は1.3%増収ながら12.6%営利減、部材調達難など響き計画比未達成

 

 事務用椅子のコクヨ向けOEMを主体としたオフィス家具と、液晶・半導体製造用画像検査装置を主体とする検査計測機器事業が2本柱。23/3期は売上高230.37億円(計画比4.63億円未達、1.3%増)、営業利益9.99億円(同1.01億円未達、12.6%減)、経常利益11.03億円(同0.47億円未達、10.8%減)、税引利益8.28億円(同0.22億円未達、7.3%減)、受注高234.95億円(13.3%減)、受注残93.45億円(5.2%増)となった。23/3H1で計画未達を下期でカバーするもカバーできず計画未達成で終った。

 

 部門別では検査計測機器が売上高64.99億円(計画比6.01億円減額、10.0%増)、営利4.57億円(同0.93億円未達、2.3倍)、受注70.56億円(30.2%減)、受注残81.71億円(7.3%増)となった。設備投資需要が拡大している半導体関連検査装置や2次電池部材向け検査装置が好調に推移し、収益性が向上、営業利益率は7.0%と過去10年で最も高くなった。但し部材不足で生産が遅延し受注残高が7.3%増となり、FPD向け不振を補って増収増益となったが計画比で未達成に。ちなみに単独での売上ではFPD検査装置が42.9%減、これに対し半導体検査装置51.2%増、2次電池等フィルム検査装置等68.9%増となり、半導体検査装置の比率42.9%がFPD検査装置24.6%を大きく上回った。

 

 

 

 住生活環境関連は売上高112.31億円(同1.69億円未達、7.1%減)、営業損失0.05億円(同1.0.5億円未達、4.51億円悪化し赤字転落)に。オフィスビルの新規供給減などで減収、主力のコクヨ向けOEMが7.3%減となり、減収影響と円安による輸入材料高騰等が影響し赤字に。

 

 産業機器は売上高29.41億円(同0.41億円増額、10.7%増)、営利4.64億円(同0.06億円未達、2.1%減)に。半導体製造に使われるマスフロコントローラー向け電磁アクチュエータが拡大したものの、原料高による原価率上昇と能力増強投資の先行負担が影響した。

 

 全体を通じ、オフィス家具の不振とFPDの市場縮小、部材調達難による納期遅延等から会社計画未達成で、受注残高が積みあがって終わる結果に。

 

 

24/3期は半導体検査装置拡大が本格化、12.4%増収25.1%営利増見通しは税引除き達成へ

 

 24/3期会社予想は売上高259億円(12.4%増)、営業利益12.5億円(25.1%増)、経常利益14億円(20.6%増)、税引利益10億円(20.6%増)と、半導体検査装置の本格拡大で収益拡大を見込んでいる。部門別予想の開示はないが、単独の検査計測収部門の売上を74.29億円(26.5%増)と見込んでいる。同分野の内訳はFPD25.35億円(79%増)、半導体31.41億円(27%増)、フィルム16.53億円(0.7%増)予想。FPDについては3年前に受注した案件が漸く納入されることで売上が拡大も、利益寄与は赤字に止まるとみられる。

 

 半導体向けは中心となるWMシリーズが牽引、収益性もアップが見込まれる。具体的にWMシリーズは23/3期に半導体向けの約3/4を占めたとみられるが、24/3期には80%まで構成比がアップする見通し。従来は国内中心で、22/3期は国内が88%、23/3期も65%が国内向けとみられ、国内ではほぼ寡占状況にある。しかしここにきて海外向けが伸長している。この要因は海外で圧倒的なシェアを持つKLAテンコール社が300mmなどに注力し、200mm以下の検査装置の新製品投入、開発も行なわない中でレガシー半導体の需要が急拡大、KLA中古製品が世界中で供給不足となり、特にパワー半導体向けの需要が急拡大で検査ニーズも高まっていた。同社は2018年にトプコンからウエハ表面検査装置(WMシリーズ)、プロキシミティ露光装置を買収しているが、この中でWMシリーズは発売が1986年で、現行機はWM-10(300mm対応、2005年投入)、WM-7S(200mm以下対応、2002年投入)の2機種で、累計納入台数が約800台にも及んでいる。このような中で、海外向けでKLA社中古製品を多く扱っている米国のClassOne社と22年2月に代理店契約を結び欧米向けにWM-7SR(欧米安全規格仕様)の受注を開始、1年半で12台の受注を獲得、米国中心も、欧州で大学の研究所向けにも1台を受注した(販売では23/3期5台と推定)。

 

 23/3期上期でWMは15億円強(同期比2.3倍)の受注を獲得している。受注拡大を受け、生産能力を年間20台から現在40台と倍増、2023年度には年間60台(月産5台)を目指す。価格は300mm対応のWM10が1億円弱、200mm以下対応のWM-7Sが5000万円弱とのこと。今後、化合物半導体基板向けではSiCなど、半透明基板に対し検査波長を変えて検査可能対応の新製品の開発を図る他、高感度対応機も投入する計画にある。当面、特に需要の中心となるWM-7S中心に買い替え需要や増設設備投資向けに年間100億円~150億円規模のマーケットでシェアアップを図る計画。またWM以外ではALTAX(高速バンプ高さ検査装置)、ThinSpector(全面膜厚ムラ検査装置)の投入も始めた。ALTAXは半導体チップの微細化に伴い、2.5D、3Dパッケージ基板対応に向けたもので、マイクロバンプの全数検査が可能。インテルのEMIB対応などで既に受注成約がある。一方のThinSpectorはウエハ全面の膜厚計測と膜厚ムラの検出を同時に行える検査装置。従来は別々に検査していたが、FPD検査装置で培ったノウハウを生かし、1スキャンで全数・全面検査を可能とした。24/3期に販売開始としており、ウエハの薄化に必要不可欠な検査装置として、特にパワー半導体向けの需要拡大が期待される。いずれにしても同社製品の当面のターゲットはパワー半導体やCMOSイメージセンサ等であり、現在のメモリ需要不振の影響をあまり受けないと見られる。またフィルム関連では2次電池向けのフィルム検査装置の拡大も期待される。ラインセンサを用いた光学式検査装置Hawkeyesシリーズで、パターン検査、パッケージ検査、無地フィルム外観検査などを行うが、LiB向けでは集電箔、セパレータ、外装用ラミネートフィルム、電極などの欠陥、塗工長計測などで多用される。現状はフィルム検査の10%程度に過ぎないが、相次ぐ設備増強、大面積での高速検査ニーズもあり、LiB投資拡大で売上拡大が加速しよう。このよう状況で、検査計測事業は会社計画並みの売上が見込まれる。

 

 住生活関連は、首都圏を中心に大規模オフィスの供給量の増加が見込まれる。具体的には東京23区新規供給量(賃貸面積)が2023年は22.4万坪(過去10年平均15.9万坪)と大型物件の供給が見込まれる。一方大阪は2023年が低迷、2024年に9万坪(過去10年平均1.9万坪)が見込まれている。なおコロナでリモートによるテレワークも進んでいるが、これに伴いフレキシブルオフィス需要も拡大、既存執務エリアの縮小の一方で、新ビジネス向けの需要も拡大している。このため24/3期は低迷を脱し、緩やかな回復が見込まれる。

 

 産業機器はマスフロコントローラー向けが半導体製造装置不振の影響はあるものの、流量継続ニーズは減少していない。大手ユーザーの売上予測ではほぼ横ばいを確保する見通しとなっており、同社においても今期横ばい基調を維持しよう。

 

 全体を通じ、24/3期は税引利益を除き会社計画並み(7/7に不正送金で0.7億円特損発生)の収益が見込まれる。

 

 

 

現業技術の横断的な組合せと医療機関との連携で体外診断用医薬品市場へ新規参入

 

 同社は新規事業として現業技術の半導体における高度な光学システム、画像システムなどシステム横断的な組み合わせと医療機関との連携によってバイオテクノロジーを融合し体外診断薬測定システムの研究・開発を行っていた。今回、6/6に体外診断システム事業として「SiLISシリーズ:Simultaneous  Luminescence Immunoassay System」を立ち上げた。具体的には特異的IgE45項目(アレルギー疾患となるアレルゲンに対する免疫グロブリンのひとつであるIgE抗体の量を測定する検査)及び非特異的IgE(体内の特異的IgE抗体の総量で、アレルギーの有無を測る)を同時に短時間で測定できる体外診断用医薬品及び測定するための測定機器の研究・開発が完了、自動分析装置 SiLIS—100、体外診断用医薬品として特異的IgE及び非特異的IgE測定試薬の2製品の届出及び認証を受けた。同時多項目検査として利便性が高く、アレルギー疾患を始め、感染症等検査の多用化から、多項目の検査結果を15分程度の短時間というほぼリアルタイムに提供することでQOLの向上に貢献できるとしている。ポイントは従来、4~5日を要し、90%以上を検査センターに送って検査していたものを、多項目検査について同時多項目(特異的IgE45項目+非特異的IgE)・迅速アレルギー検査で院内検査を実現する事にある。実際に特異的IgE45項目で消費者庁が表示義務項目として食品系で示した27項目全て、また表示推奨項目として吸入系、その他の18項目の内87%について測定が可能。またその他では最近多発しているアニサキスの測定も可能となっている。測定方法は従来からあるCLEIA(化学発光酸素免疫測定法)であるが、少量の検体(40μL:血液1滴程度)で十分とのこと。既に特許として医療先進国中心に日本、欧州9ヶ国、米国で取得済みとしている。販売時期は2023年10月を予定、まずは開発にあたった関係の医療機関でテスト的に導入、来期からの収益寄与が期待され、中長期的には新たな柱となる可能性を秘めている。

 

 

25/3期は検査計測で半導体検査、バッテリー検査装置拡大で収益上伸期待

 

 25/3期は半導体検査装置の拡大、FPDでの赤字案件の売上計上一巡、2次電池検査装置の拡大などが見込まれ、検査計測装置の収益拡大で事業ポートフォリオの変革が行われ、収益拡大継続が期待される。

 

 検査計測事業以外では、都心の再開発事業の進展継続、関西では万博向けの進展遅れは懸念材料も2024年は拡大が見込まれ、オフィス家具も収益の下げ止まりから緩やかな拡大が期待される。また産業機器でも全体の50%程度を占めるとみられる電磁アクチュエータ事業が、先端半導体での精密流量制御などでニーズが高まる見通しで能力を1.5倍に拡大見通しでこちらも成長が見込まれる。また同事業ではゴムチューブを押し挟んで流路を開閉するバルブが液溜まりせず衛生的で、薬液等の制御に適し、医療機器用ソレノイドバルブとして成長が見込める製品もある。

 

 全体を通じ、検査計測事業の収益上伸で全体収益の押し上げが期待され、25/3期も収益拡大が期待される。株価は24/3期会社予想EPS65.7円に対しPER12.5倍は東証スタンダードその他製品平均PER19.5倍、精密17.3倍に対し割安、機械の12.8倍並みとなっている。7/7にアジア子会社での特損0.7億円の発生で実際にはEPSが62.4円程度に下がるとみられるため、PERでは13.2倍となる想定も割高感はない。今後、従来のFPD関連銘柄というイメージが半導体検査装置メーカーへ変身、しかもパワー半導体向け中心に拡大が見込まれ、さらにフィルム検査装置ではLiB検査が拡大する見通しで、収益性も大きく向上するとみられる。PBR0.4倍という状況からも下値不安が少ないとみられ、7/7の悪材料を織込み、ポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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