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アドバンテスト(6857) 24/3Q1決算電話会議メモ  ニュートラル継続

24/3期は半導体投資減速で収益低迷も25/3期は回復、26/3期は生成AIで収益上伸期待

株価19520円(7/31) 時価総額37399億円 発行済株199542千株

PER(24/3期DO予45.1X)PBR(9.39X)配当(23/3ARJ予)110円  配当利回り0.6%

 

要約

・24/3Q1はスマホ減退、データセンタ投資も減速し25.5%減収68.1%営利減

・24/3期は景気後退、半導体需要減退、MIX悪化で14.3%減収37.4%営利減予想と慎重

・25/3期は23/3期水準に回帰し売上過去最高更新、26/3期も生成AI関連で収益上伸期待

 

 

24/3Q1はスマホ減退、データセンタ投資も減速し25.5%減収68.1%営利減

 

 24/3Q1決算が7/26に開示され、電話説明会が同日行われた。24/3Q1は売上高1013億円(25.5%減)、営利143億円(68.1%減)とスマホ、PCに加えデータセンタ投資も減退し収益急減速に。

 

 セグメント別では半導体・部品テスト事業が売上高705億円(26.6%減)、営利183億円(55.0%減)となった。SoC(System on Chip)テスタがスマホの不振でアプリケーションプロセッサ(AP)中心に先端プロセス関連が落ち込み、611億円(22.5%減)に。メモリテスタもサーバー投資減退、PC、スマホの販売減からメモリ市場が悪化、売上高94億円(45.7%減)と厳しい環境に。利益面では減収影響に加え高機能SoCテスタも不振でMIX悪化もあり大幅減益に。メカトロニクス関連事業は売上高85億円(44.6%減)、営利0億円(99.9%減)。テスタ事業の低迷でデバイスインターフェース製品、テストハンドラが減少、ナノテク製品も納入一巡で減少、利益では大幅減収で収支トントンに。サービス他は売上高222億円(9.4%減)、営業損失6億円(45億円悪化し赤字転落)と、保守サービスは104億円(9.5%増)と高水準を維持も、システムレベルテスト(SLT)が特定ユーザー比率の高い民生向けの減退で118億円(21.2%減)と低迷した。利益面では減収影響に加え生産体制、開発投資コスト増で赤字に。

 

 次に地域別では、Q4対比で全地域が減少、韓国向けがメモリテスタの低迷で51.6%減、中国、台湾も各々25.1%減、28.7%減などに。同期比では海外が26.7%減、各国が63.6%減、台湾49.3%減など、同期比ではさらにマイナス幅が大きくなっている。

 

24/3期は景気後退、半導体需要減退、MIX悪化で14.3%減収37.4%営利減予想と慎重

 

 24/3期会社予想に変更はなく、売上高4800億円(14.3%減)、営業利益1050億円(37.4%減)予想を維持した。

 

 部門別売上では-半導体システム3380億円(期初計画比30億円増額、16%減)、内訳はSoCテスタ2680億円(同30億円増額、18%減)、メモリテスタ700億円(同変更無し、11%減)を見込む。半導体テスタ事業についてテスト量の増加はあるものの、スマホ向け中心に設備余剰感があり、4月時点よりもテスタ需要の回復を期初想定よりも緩やかになるとしてSoCテスタの予測を引下げた。但し同社においてSoCテスタは広範囲にテスタ投資の抑制が行われ、先端プロセス、成熟プロセスでも落ち込みを想定も、車載、産機向けが比較的堅調に推移している模様で、為替影響も有り増額に。アプリ別ではコンピューティング・通信向け構成比が約60%まで低下するとしている。メモリテスタではハイエンド向けに技術投資を見込むも、市況悪化影響を受け、円安効果を相殺し計画変更無しとした。

 

 メカトロ関連は売上高420億円(同30億円減額、30%減)とテスタ需要に連動しデバイスインターフェース製品やハンドラが大きく減少、ナノテク製品は前期の反動減で減少し、見通しを減額に。サービス他は売上高1000億円(同変更無し、4%増)を見込む。内訳はSLTが540億円(同変更無し、2%増)と、在庫評価減などが一巡するも民生用機器需要の伸び悩みを見込み、保守サービスは設置台数の増で460億円(同変更無し、7%増)を見込む。

 

 全体として売上面ではSoCテスタ市場予測は下限前提に予想を立てていたものをさらに回復が遅れるとして減額も円安や車載、産機向け堅調で修正、一方でメカトロニクスの落ち込みが想定以上に厳しく減額に。利益面では為替前提が期初1$=130円前提に対し135円に円安修正、対ドルで1円の円安は年間営業利益11億円のプラス効果があるとの事で、為替5円円安分で55億円のプラス効果とすると、実際には為替影響を除くと収益の減額修正となっている。

 

 会社側では期初に上期予想を提示していなかったが、今回半期予想を開示、Q2についてQ1比較で10%程度の回復を見込み、下期は半期ベースで上期比25%程度の回復、下期はQ4で前年同期比横ばいまで回復する見通しとした。この要因は為替の円安影響に加え、メモリ向け等で下期には上期の遅れを挽回してくる、CMOS等で非スマホの関連が堅調で、全体としてスマホの不振を非スマホの増加で埋めて計画維持との判断をしている。現状、為替の改定予想対比でもQ2以降ドルに対し5円程度円安方向もあり、3四半期で40億円程度の営業利益寄与が加わり、会社予想については物量が減少しても多少収益増額が見込まれよう。

 

25/3期は23/3期水準に回帰し売上過去最高更新、26/3期も生成AI関連で収益上伸期待

 

  25/3期はチャットGPTの急速な普及に伴うAI半導体、データセンタ需要の高まりなどから、改めてSoCテスタの拡大が見込まれる。またメモリもディープラーニング用に設計されたハイエンドGPUを搭載するAIサーバサプライヤからのHBM(広帯域幅メモリ)需要の拡大、また次世代HBM3(HBM2と比べ、ピン当たりのデータレートが2倍に相当する6.4Gbps、デバイス当たり819GBpsを実現する次世代規格品)の投入本格でテスト需要が大幅拡大する期待もある。加えて車載半導体分野などでM&A効果なども寄与するとみられ、23/3期並みの売上まで回復が見込まれ、利益面ではMIX変化で最高益には届かないものの、大きく回復するとみられる。株価は24/3期会社予想EPS423円に対し46.2倍、24/3期業績予想の悪材料を織込んだなかで、チャットGPTでのAI半導体検査の爆発的な検査需要を見込み来期以降のブレークを織込んだ形の評価でPERの割高感は拭えない。但し生成AIブームは続くとみられ、26/3期には収益上伸で最高益大幅更新も見込まれ、当面はPER割高ながらニュートラル継続と考える。

 

 

(H.Mirai)

 

 

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