台湾YUSCO 8月のNi系SUS鋼材価格引き上げ 欧州サーチャージは下げ
台湾のステンレス大手ユスコ社は8月の304ステンレス鋼の国内販価と輸出価格を引き上げ、316Lのエクストラも引き上げると明らかにした。これは同社に母材を供給しているインドネシア青山が304ホットコイルのオファー価格を引き上げたため、とされている。
インドネシア青山は先週初めまでトン当たり1900ドル台前半から半ばであった304ホットコイルのオファー価格を週後半トン当たり2030−2050ドルに引き上げた。
ユスコはニッケル系ステンレス鋼の国内販価をトン当たり1500台湾ドル引き上げて、316Lのエクストラをトン当たり1000台湾ドル引き上げた。また304ステンレス鋼の輸出価格についてはトン当たり50ドル、316Lのエクストラをトン当たり30ドル引き上げた。クロム系ステンレス鋼の国内販価と輸出価格は据え置きとした。
一方、ステンレスの大減産が続く欧州では8月のステンレス鋼サーチャージは引き下げ。
理論値通りではあるのだが、7月のLMEニッケル価格の下落が主因。また、モリブデンの価格下落で、316ステンレス鋼のサーチャージも引き下げ。
欧州最大手のオウトクンプは8月の304ステンレス鋼のサーチャージをトン当たり2209ユーロと前月比173ユーロ引き下げ、430ステンレス鋼のサーチャージはトン当たり974ユーロと前月比82ユーロ引き下げた。
アぺラムは304ステンレス鋼のサーチャージをトン当たり2195ユーロと前月比192ユーロ引き下げ、430ステンレス鋼のサーチャージをトン当たり970ユーロと前月比86ユーロ引き下げた。316ステンレス鋼のサーチャージもトン当たり3646ユーロと238ユーロ引き下げた。
アセリノックスは304ステンレス鋼のサーチャージをトン当たり2222ユーロと前月比181ユーロ引き下げて、430ステンレス鋼のサーチャージはトン当たり978ユーロと前月比90ユーロ引き下げた。316のサーチャージはトン当たり3675ユーロと前月比232ユーロ引き下げた。
(IRUNIVERSE/MIRUcom)
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