新着情報

2024/05/08   中山製鋼所:24/...
2024/05/08   ユミコア・フィンラ...
2024/05/08   炭酸ストロンチウム...
2024/05/08   4月のアルミ概況お...
2024/05/08   4月の銅の概況及び...
2024/05/08   タンタル原材料輸出...
2024/05/08   精製鉛輸出入Rep...
2024/05/08   精製鉛輸出入Rep...
2024/05/08   タンタル・キャパシ...
2024/05/08   MLCC輸出入Re...
2024/05/08   青銅条輸出レポート...
2024/05/08   2024年3月 鉛...
2024/05/08   レゾナック 半導体...
2024/05/08   MARKET TA...
2024/05/08   Americas ...
2024/05/07   千葉県、ヤード条例...
2024/05/07   JFE HD:24...
2024/05/07   JFE HD:24...
2024/05/07   積水化成品大分 P...
2024/05/07   石原産業 運送費上...

コーセル(6905) 24/5Q1決算メモ ややポジティブ継続

24/5Q1は36.4%増収、営利2.6倍も受注半減で下期厳しく7.7%増収8.4%営利増予想

株価1252円(9/28) 時価総額353億円(9/16) 発行済株35712千株(9/16)

PER(DO24/5予10.3X)PBR(0.95) 配当38円  配当利回り:3.0%

 

要約

・24/5Q1部材調達進み36.4%増収、営利2.6倍と収益改善も受注半減、受注残21%減に

・24/5期は受注減影響で下期厳しく7.7%増収9.4%営業増予想変更せず

・第10次中期経営計画で26/5期に売上高417億円、営利62.4億円目指す

 

 

24/5Q1部材調達進み36.4%増収、営利2.6倍と収益改善も受注半減、受注残21%減に

 

  産業用スイッチング電源標準品専業大手。9/19に24/5Q1決算が開示された。24/5Q1は売上高103.90億円(36.4%増)、営業利益20.63億円(2.6倍)、経常利益22.68億円(2.5倍)、税引利益16.82億円(2.7倍)と上伸。一方で受注55.63億円(50.5%減)、受注残高336.18億円(21.0%減)と足元受注急減で着地した。

 

 地域別に主力の日本は売上高60.41億円(28.9%増)、営利14.41億円(96.7%増)に。前期末の受注残が253.63億円あり、部材調達の改善が進んだことで受注残の消化が進み、大幅な収益改善に。但し受注面ではコロナでの先行発注の反動から受注は半減状況に。欧州事業は売上高21.81億円(47.8%増)、営利2.37億円(2.75億円改善、黒字転換)となった。PRBX社売上が17.53億円(48.6%増)と、増産対応が功を奏し大幅増益に。但し受注は13.25億円(13.4%減)、受注残48.12億円(9.3%減)と需要は調整局面に。アジア販売は売上高12.28億円(56.0%増)、営利0.89億円(2.1倍)と、需要が調整局面も、部材調達の改善で出荷量が増加、増収効果が大きく収益上伸に。中国生産事業も内部売上9.11億円(43.2%増)、営利2.24億円(3.7倍)と部材調達改善、受注残の改善、生産ラインの見直しによる生産効率改善などから大幅増益に。全体を通じ、足元の受注が半減と厳しいものの、半導体、部材調達の改善から豊富な受注残の消化が進み、大幅収益伸長に。なお、受注50.5%減と半減ながら、受注残高は336.18億円(21.0%減)と、依然としてほぼ1年分の受注残を抱えている。

 

24/5期は受注減影響で下期厳しく7.7%増収9.4%営業増予想変更せず

 

 Q1での収益上伸を受けたものの、Q1が先行発注一巡影響もあり受注半減、今後も不透明感があることから、通期計画を変更せず、24/5期、売上高380億円(7.7%増)、営業利益53.92億円(9.4%増)、経常利益54.72億円(3.8%増)、税引利益38.45億円(21.6%増)を据え置いた。営業利益面では増収効果で11.86億円、限界利益の向上で4.67億円のプラス効果の一方、人件費増2.56億円、償却増2.12億円、経費増7.20億円の減益要因見込む。

 

 現状、Q1末で受注残高が336.18億円(前年同期比21.0%減)、旧コーセルで288.06億円(前年同期比14.7%減)と依然高水準、会社計画の残り276億円に対し15ヶ月弱の受注残がある。上期は逆算して売上高88.09億円(前年同期比1.1%増、Q1比15.2%減)、営利6.52億円(同16.9%減、同68.4%減)、経常利益4.88億円(同65.2%減、同78.5%減)予想となる。現状、為替が円安に推移、欧州などは特に大幅な円安となっており、PRBXの原価率アップを見ているものの、売上増で利益額がカバーされる見通し。受注残が豊富なことも有り、受注がQ1並みに止まったとしても上方修正が見込まれる。

 

第10次中期経営計画で26/5期に売上高417億円、営利62.4億円目指す

 

 同社は第10次中期経営計画を策定、26/5期に売上高417億円(23/5期比64億円増)、営利62.4億円(同13.14億円増)を目指す事とした。地域別では国内36.1億円、欧州21.5百万ユーロ、アジア5.1百万ドル、北米3.2百万ドル増を想定。利益は増収効果に加え、頒価の適正化に向けた利益管理を徹底し、営業利益率15.0%以上を目指す計画。また新製品の売上比率を23/5期の4%から26/5期に21%以上に引上げる方針。同社は長年にわたり多くの品種を維持管理、品番が過剰な状況にある物を計画的に生産中止し、既存品から新製品に新陳代謝を加速させる方針。また欧州ビジネスについては漸くPRBXの買収によるシナジー効果が発揮されつつ有り、今後、PRBX直販ユーザーへのコーセル製品の拡販も本格 拡大する方針。業界別には半導体、FA、再エネ分野での拡大を目指している。

 

 

 現状、半導体製造装置、5G関連設備投資が低迷も、25/5期は本格回復が見込める。また医療向けは拡大が続くとみられる。さらに需要面ではスイッチング電源の小型軽量化、通信機能を付加した高付加価値製品群へのニーズの高まりがあり、同社も新製品投入を進めている。

 

 このため26/4期も半導体、5G、医療、またFA関連も回復、増収増益が続くとみられ会社中計の達成が可能と判断する。

 

 株価は9/19の場中開示のQ1好決算を評価し、前日比195円高の1400円まで高騰したものの、受注半減が確認されたためか、引け値は1287円と前日比18円安で引け、その後の下落し1200円割れとなっている。24/6期会社予想EPS113.73円に対しPER10.3倍は東証プライム電機平均PER19.8倍に対し、割安感はあるが、収益、受注の変動が大きく、受注減の状況の改善がないと株価の本格上昇はないと見られる。とは言え上期着地が上方修正の可能性も高く、PBRも1割れ状況であり、当面、ややポジティブ継続と考える。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

関連記事

関連記事をもっと見る