NY金が1か月半ぶり高値 中東情勢の不透明感で、国内金は連日で過去最高値
金相場の上昇が国際市場でも目立ち始めた。miruのプライスデータによると、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)での金価格は10月18日に1トロイオンス=1968.3ドルと前日比1.68%上昇し、8月30日以来およそ1か月半ぶりの高値を付けた。10月17日にはガザの病院爆発で民間人約500人が死亡。中東情勢の先行き不透明感から安全資産を買う動きが強まっている。
過去3か月間のNY金相場の推移($/toz)
NY金は10月7日にハマスによるイスラエル急襲が起きてからでは7%弱上げた。安全資産としては金のほかに米ドルも含まれるほか、米国が利上げ方針を撤回していないことから世界の投資資金は米ドルや米株にも向かいやすく、国際金価格の上値はこれまでやや重かった。ただ、10月18日にバイデン米大統領がイスラエルに向かったものの病院爆発でその後に予定していたヨルダンなどへの訪問が中止になり、中東情勢の不透明感が強まったとの見方が浮上している。
こうした情勢を受け、10月19日のロイター通信は、「国際金価格は2000ドルに乗せることもあり得る」とのアナリストの見方を伝えた。NY金の過去最高値は2020年8月の2069ドル。
過去3か月間の国内金相場の推移(山元建値)(JPY/kg)
一方、ドル買いに伴う円安も押し上げ要因となる国内金価格は過去最高値を更新中だ。地金大手の田中貴金属工業が10月19日朝に発表した金の店頭小売価格(税込)は前日比135円高の1グラム=1万382円と、連日で過去最高値を更新した。
miruのプライスデータでも、山元建値の金価格は10月18日に1g=9234円と過去最高値を更新。最近は金相場の値上がりを受け、若者の間で金投資が流行し始めているとのうわさもある。
(IR Universe Kure)
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