10月の銅の概況及び11月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 7900-8300ドル →
建値 117万-129万円 →
為替 145~150円 (1か月間TTM) レンジ内
■国際概況
前半 米連邦政府つなぎ予算が9月30日に成立し、懸念された政府機関の閉鎖は土壇場で回避、9月の米ADP雇用者数 結果 8.9万人予想 15.2万人 前回 18.0万人(17.7万人から修正)(前月比)などのプラス材料もあったが8月の米JOLTS求人件数が961万件となり、事前予想の883.1万件を大きく上回ったを嫌気しDOWN。
10月15日時点で8230.5ドル(セツル)と月初価格より146ドル下落の締め。
後半は中東情勢の緊張高まりが警戒などのマイナス材料もあったが中国の第3四半期の国内総生産(GDP)が事前予想を上回る強気な内容だったことを好感しUP
月末日 後半スタート価格から190ドルUPの8110ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
150.58 → 150.51(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比+13%の80万6639台
輸出は前年同月比+12.9%の38万9194台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+14.9%の24万3144台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.8%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 68,941 戸。
・前年同月比 6.8%減, 4か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,348千㎡。
・前年同月比 8.6%減, 8か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 800千戸。
・前月比 1.5%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -12.6%の5万8232t
スクラップ +32.7%の3万3936t
輸出推移
【輸入】
電気銅 +82.5%の469t
スクラップ -15.7%の9477t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
9月伸銅品生産量速報値は5万3,890トン、前年同月比13.3%減少した。21か月連続マイナスとなった。
14品目中12品目が前年同月実績を下回った。プラスは、好調な銅線と黄銅条である。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比-6.1%の53000t うち 国内-3.2% 輸出が -61.4%
出典 日本電線工業会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比+13%の80万6639台
輸出は前年同月比+12.9%の38万9194台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+14.9%の24万3144台
内 乗用車 +12.4%
貨物 +12.3%
バス +51.6%
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.8%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 68,941 戸。
・前年同月比 6.8%減, 4か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,348千㎡。
・前年同月比 8.6%減, 8か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 800千戸。
・前月比 1.5%減, 先月の増加から再びの減少
【伸銅品生産】
9月伸銅品生産量速報値は5万3,890トン、前年同月比13.3%減少した。21か月連続マイナスとなった。
14品目中12品目が前年同月実績を下回った。プラスは、好調な銅線と黄銅条である。
車載向け半導体は、パワー半導体をなどのディスクリート向けとIC向けともに好調である。ただ、それ以外の半導体向けが回復してこないのは、特にデジタル家電の低迷が大きく影響している。自動車コネクタは、メーカが売れる車を中心に生産を注力しており、そうした差が在庫消化などにも影響している。民生用コネクタは、中国の購買力低下の影響をまだ受けており、低迷が続いている。
銅条
前年同月比2ヶ月連続のマイナス。マイナス幅は小さい。大型の配電盤で動きが見られて回復が続く。中小型の配電盤は、他の部材の入手が滞り気味なため低調が続いている。
黄銅棒
同比21ヶ月連続マイナス。ガス、給湯機器に関連するLPGバルブが繁忙期並みに需要戻っている。ただ、巣ごもり時にいろいろと需要が伸びた反動がまだ部品在庫として残っている。
【電線】
前年比-6.1%の53000t
うち 国内-3.2% 輸出が -61.4%
【輸出】
電気銅 -12.6%の5万8232t
スクラップ +32.7%の3万3936t
【輸入】
電気銅 +82.5%の469t
スクラップ -15.7%の9477t
【見通し】
【自動車】
9月の自動車生産が+13%。10月国内販売台数が前年比+14.9%
9か月連続 生産,販売 共に回復の兆しあり今後に期待
【伸銅品生産】
9月伸銅品生産量速報値は5万3,890トン、前年同月比13.3%減少した。21か月連続マイナスとなった。
14品目中12品目が前年同月実績を下回った。プラスは、好調な銅線と黄銅条である。
車載向け半導体は、パワー半導体などのディスクリート向けとIC向けともに好調である。ただ、それ以外の半導体向けが回復してこないのは、特にデジタル家電の低迷が大きく影響している
【電線】
前年比-6.1%の53000t
うち 国内-3.2% 輸出が -61.4%
中国の景気後退の影響から更に悪化ちらも回復の目途はたっていない。
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】今月銅建値が128万から一時122万 最終125万下落傾向だった
在庫は今月も伸銅品生産減 発生減から在庫薄
需要面に関しては自動車生産販売の回復から一定の需要は出るが民生用途も中国を中心に需要の回復が遅れている一方中国への輸出は増えており国内需給は引き締まっている。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米FRBの金融政策
2、中国の景気対策
1に関しては
10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったこと、失業率は3.9%と前月と同じ3.8%を見込んでいた市場予想を上回り、平均時給は前月比0.2%増で、市場予想(0.3%増)ほど伸びなかったことなどから12月に利上げはないのでは?
2に関して
消費は増加幅拡大も一部に弱さ、物価は前年比横ばい
10月24日、全国人民代表大会常務委員会第6回会議で1兆元の国債増発が承認された。
ことなどから一方的景気後退はないのでは?
これらを踏まえた今月の銅価格は 7800-8300ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~150円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては117万-129万円程度と予測している
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