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リチウム市況⑭ 10万元割る ―― 先安観が在庫手当て見送り誘う循環

 10月中旬に一時小反発する場面を挟みながらも年初来安値を更新し続けてきたリチウム市況が1トン10万元の大台を割り込んだ。8日現在、主要指標の炭酸リチウム(99.5%、China)で11月上旬比33.6%減の1トン9万8,500元(仲値)で推移しており、年初比81%安となった。中国政府が打ち出した1兆元の国債を発行して進める災害対策への反応も鈍く、底値をなお確認できない展開が続いている。

 

 主要指標の炭酸リチウム(99.5%、China)は 8日現在、1トン安値9万6,000元、仲値9万8,500元、高値10万1,000元での推移となっている。年初比で、81%超下げた計算で、これで21年8月以来の安値に並んだ。10月中旬の小反発場面の前に31万元超のラインまで6月には戻しており、1年のスパンでみると一定のヤマもあったが、荷もたれ感を終始引きずり、それを解消できないまま、10月中旬以降さらに下げ足を速めた。

 

炭酸リチウム(99.5%、China)相場

 

 過当競争から電池メーカーが在庫調整に手間取っていると指摘されており、これが目詰まり現象を引き起こし、リチウムの需要減なって跳ね返ってきている。減産で対抗する動きも見られるが、様子見姿勢に徹する買い手の揺さぶりに売り手は譲歩を余儀なくされている。

 

 中国政府が新規国債を1兆元(約20兆5000億円)増発し、夏に豪雨災害をうけた地域の復興を進める形で動き出す同国の景気対策にも足元反応は薄く、「さらに下げ余地を残している」と指摘する市場関係者が多い。当面の焦点は、底値がどこで確認されるのか、その一点に絞られてきた。

 

 一方、炭酸リチウム(99.5% Delivered EU)も続落している。 8日現在、1キロ安値14.4ドル、仲値14.65ドル、高値14.90ドルの水準にある。下げ足はペースダウンしてきたが、それでも11月上旬比で仲値ベース4.9ドル安になる。欧州中央銀行(ECB)が10月の会合で11カ月連続の利上げを見送ったことで、市況展開に変化がでるのか注目されたが、引き続き下げ基調にある。

 

炭酸リチウム(99.5% Delivered EU)相場

 

 ただ、欧州自動車工業会(ACEA)のまとめによると、10月の欧州連合(EU)のEV販売台数は前年同月比36.3%増、1‐10月累計でも前年同期比53.1%増と好調を維持している。インフレと高金利が個人消費を圧迫していると指摘されている中での現象だけに、14日にある次回のECB理事会で2会合連続の利上げ見送りとなれば、リチウムを取り巻く市場心理にも変化が生まれる余地も出てきそうだ。

 

(IRuniverse G・Mochizuki)

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