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タンタル原材料輸出入Report #104フッ化タンタル輸入 単価初のキロ3万円台突入

   日本のフッ化タンタルの輸入は、2016年以来の少ない輸入量で推移している。2023年10月も米国からの輸入が大きく減り、タイとドイツからの輸入の割合が大きかった。輸入平均単価は、初めて3万円台に突入し、2014年以来の最高値記録更新後も上昇している。

 

【1】フッ化タンタル酸カリウム輸入概況

   タンタル精製の原材料となるフッ化タンタル酸カリウム(以下、フッ化タンタル)の2023年10月の輸入量は27.3トンだった。前年同月比29.4%減少し、3か月ぶりにマイナスに戻した。

 

   10月の同輸入平均単価は、3万5,119円、前月より8.652円高だった。同統計において、初めて3万円を超えた。2か月前に2014年以来12月の最高値記録2万6,056円を9年ぶりに更新したが、その後も上昇が止まらない。

 

   2023年1-10月の同累計輸入量は482トン、前年比35.9%減少した。引き続き2016年以来の少ない同累計輸入量で推移している。

 

【2】フッ化タンタル輸入先

   今回、同輸入が大きく減ったのは、米国からの輸入量減少が大きい。

 

   同輸入平均単価が2014年の最高値記録を超えた後も上昇しているのは、主要な3つの輸入先、米国、タイ、ドイツからの輸入平均単価がそれぞれ上昇していることが要因となっている。ただ、この主要な輸入先のうち、米国からの輸入平均単価が最も安い。

 

   今回3万円を超えたのは、その米国からの輸入量が減って、相対的にタイとドイツからの輸入の割合が大きくなったことが大きい。タイとドイツからの輸入量は、輸入が途絶えた6月とその翌月を除くと、このところ比較的安定している。特にドイツからの同輸入平均単価が著しく高いが、それでもドイツからの輸入が、月2から4トンで続いている。

 

   10月の日本のフッ化タンタルの主要な輸入先と輸入量とキロあたりの輸入平均単価は、以下の通りである。

 

タイ   22.0トン3万1,314円

ドイツ  4.0トン5万9,435円

米国     1.3トン2万4,450円

 

【3】税関別

   税関別に見ると、このところ東京に同輸入が集中している。2023年1-10月の累計で見ると、東京は、同輸入量全体の93.4%を占めている。昨年までは、成田の割合が大きかったが、2023は3,7%に留まっている。残り2,9%は横浜である。横浜は、昨年まで3年間、輸入が無かったが、2023年5月から急に始まった。この横浜に入荷するフッ化タンタルは、全てドイツからのものである。そのため、単価は非常に高いところで推移している。

 

  10月の日本のフッ化タンタルの主要な輸入税関と輸入量とキロあたりの輸入平均単価は以下の通りである

 

東京   24.0トン3万3,640円

成田     1.3トン2万4,450円

横浜    2.0トン5万9,651円

 

※記事内のグラフ・図表は、MIRU.comにて作成

 

(K.AKIYAMA)

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