豪資源大臣が来日 52プロジェクトの目論見書も公表、日韓からの投資誘致を期待
経済産業省は1月29日、ホームページ上で、齋藤経済産業大臣が同日、オーストラリアのキング資源大臣兼北部豪州担当大臣と会談し、資源・エネルギー分野における日豪協力について意見交換したと発表した。キング大臣は今週、日本と韓国を歴訪する。外遊に合わせプロジェクトの目論見書も発表し、日韓からの投資を誘致したい考えとみられる。
■日本とはLNG安定供給や重要鉱物の供給網で協力へ
キング大臣と斎藤経産相
(出所:経済産業省ホームページ)
会談では、豪州から日本への液化天然ガス(LNG)や石炭等の資源の安定供給と信頼できる投資環境を確保することを確認。さらに、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強化に向けた協力継続のほか、協力の範囲を水素、アンモニア、CCUS/カーボンリサイクル等の脱炭素化やイノベーションにまで広げることで一致した。また、AZEC構想の下、アジア地域の脱炭素化に貢献していくことでも合意した。
■プロジェクト目論見書公開、背景に鉱業の困窮問題
豪州はキング大臣の外遊に伴い、1月29日に重要鉱物を巡るプロジェクト52の目論見書を発表した。目論見書の資料は日本語と韓国語のバージョンもそれぞれ準備中で、豪州側が今回の訪日・訪米に並々ならぬ意欲を持っていることが窺える。ロイター通信は1月30日、豪州が「同盟国からの投資を募るとみられる」との見方を伝えた。
豪州の52プロジェクト目論見書(英語、日本語は準備中): Critical Minerals Prospectus: Australia's Opportunity to Lead the World | Global Australia
同国は言わずと知れた資源国で鉄鉱石からコバルト、ニッケルまで多くの鉱物を産出する。しかし、足元では設備の老朽化や金属価格の下落を受けた業績不振などで事業を停止する企業が相次いでおり、金属産業全体の危機感も強まっている。
関連記事: 豪鉱業が経済危機 業界団体が政府に支援要請、資源大手の事業見直しも相次ぐ | MIRU (iru-miru.com)
キング大臣は、韓国では安徳根貿易資源部長官と会談する予定。
(IR Universe Kure)
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