台湾:ニッケル市場動向・市場統計まとめ<2024年1月報告>
2023年12月ニッケルスポット平均価格は585元(約2,773円)/kg、前月比4.1%安、2022年同期比41.8%安となった。2023年10月の純ニッケル輸入平均価格は628.4元(約2,979円)/kgで、前月比5.7%安、2022年同期比15.5%安となった。
ニッケル板、プレート、フラットバー及び箔について、2023年10月の輸入平均価格は1362.3元(約6,430円)/kgで前月比14.0%高、2022年同期比3.9%高となった。
ステンレス原料であるニッケル鉄について2023年10月の輸入量は2,566トン、輸入平均価格約112.0元(約531円)/kgで前月比60.5%高、上年同期比29.7%高と大幅高となった。
輸出に関して、硫酸ニッケルは輸出製品総額の7割を占めており、9割は日本に向けて輸出されている。2023年10月の硫酸ニッケル輸出量は1,894トンで2022年同期の約2,872トンから約3割減となった。
台湾のニッケル産業
台湾ニッケル產業は採掘・製錬業がないため、ニッケル合金製造業が上流と見なされる。原料輸入は主に、ニッケル鉄、純ニッケル、ニッケル粉となっており、ニッケル関連製品輸入額の7割を占める。
中流は、輸入したこれらの原料を元に、ステンレス製造、電解ニッケルでの表面処理、硫酸ニッケル製造などを行う。また、その他の元素とあわせ、合金加工を始めとしたさまざまな加工を行っている。下流産業は、ステンレス産業を筆頭に、電池応用や医療、航空、石油化学産業など、多くの分野に及んでいる。
台湾におけるニッケル金属産業の末端用途は以下の4種が主となっている。
- ステンレス:200、300系 純ニッケルやニッケル鉄、フェロニッケルを用いて製錬を行う
- 電池材料:電池正極材料や及び硫酸ニッケルを製造する
- メッキ:電解液を用いてメッキを行う
- 過酷な環境での用途:ニッケル合金は高い温耐性、耐食性、耐摩耗性を活用し、航空宇宙産業、医療産業、石油化学産業で使用される
以下は2023年10月の平均価格は以下の通り
●純ニッケル輸入価格(元/kg)
628.4元(約2,978.6円)/kgで前月比5.7%安、2022年同期比15.5%安となった
●ニッケル鉄輸入平均価格(元/kg)
112元(約530.9円)/kgで前月比60.5%高、2022年同期比29.7%高となった。
●ニッケル粉輸入平均価格(元/kg)
718.7元(約3,406.6円)/kgで前月比8.7%高、2022年同期比1.3%高となった。
●ニッケルスクラップ及び屑輸入価格(元/kg)
633.5元(約3,002.8円)/kgで前月比3%高、2022年同期比13%高となった。
※記事内の情報は、MII(台湾金属ネッで、ワーク)の許可を得て、同協会発行「基本金属需給情勢発展評価報告」(2024年1月)に基づき掲載
(単位1元=ニュー台湾ドルは4.74円2024年1月29日時点)
(IRuniversei.YUKO)
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