鉄鋼輸出入実績 2023暦年及び12月 ①輸出 品種別概況詳細
2024年1月31日、一般社団法人日本鉄鋼連盟が、2023年12月の鉄鋼輸出入実績概況を発表した。
普通鋼鋼材輸出量は、173.2万トン、前年同月(180.2万トン)比3.9 %減と2か月連続で減少。前月(173.0万トン)比では0.1 %増と前月並みとなった。
経産省が12月26日に発表した第3四半期実績見込みでは、普通鋼鋼材の輸出量を572万トンとした。第3四半期実績では、534万トンと38万トン下回った。
2023暦年の普通鋼鋼材輸出量は、2,264万2,105トンとなり、2022暦年(2,140万4,127トン)比では5.8 %増となった(経産省による見通しでは7.6 %増だった。)。
2023年12月の熱延広幅帯鋼の輸出量は、95.4万トン、前年同月比では5.3 %増の2か月連続の増加となった。
その他の主要品種別では、厚板(18.1万トン、同33.2 %減)が2か月連続、亜鉛めっき鋼板(18.2万トン、同0.7 %減)が3か月連続、冷延広幅帯鋼(9.2万トン、同19.1 %減)が3か月ぶりの減少となった。
鉄鋼輸出入実績 2023暦年及び12月 ①輸出 全鉄鋼ベース概況詳細は下記を参照ください。
鉄鋼輸出入実績 2023暦年及び12月 ①輸出 全鉄鋼ベース概況詳細 | MIRU (iru-miru.com)
2023年12月 輸出表:世界計
普通鋼鋼材においては、鋼矢板、熱延薄板、熱延広幅帯鋼、熱延帯鋼、電気鋼板、ブリキ、ティンフリー、溶鍛接鋼管の8品目が、前月比及び前年同月比でともに増加した。
普通鋼鋼材において、軌条、熱延広幅帯鋼、冷延鋼板、、亜鉛めっき鋼板及び継目無鋼管は、2023暦年比及び(4-12月期)比ともに増加した。結果、普通鋼鋼材及び全鉄鋼ベースも前年同期比増となった(黄色マーカー表示)。
<2023暦年輸出量>
銑鉄の2022暦年の輸出量は7.3万トンで2021暦年(4万トン)比82.5%増と2年ぶりに増加した。2023暦年の銑鉄の輸出量は10.1万トンと2022暦年比37.0 %増と2年連続で増加した。
半製品の2022暦年の輸出量は311.3万トンで2021年度(364.6万トン)比14.6 %減と2年連続の減少となった。2023暦年の半製品の輸出量は311.4万トンと2022暦年並となった。
2023暦年の普通鋼鋼材輸出量は、2,264万2,105トンとなり、2022暦年(2,140万4,127トン)比では5.8 %増となった。2019暦年をも上回った。
2022暦年比では、厚板、亜鉛めっき鋼板及び熱延広幅帯鋼が増加した。
図5に銑鉄、半製品、フェロアロイ、普通鋼合計及び普通鋼主要品種の暦年別輸出量推移を示す。
図5 銑鉄、半製品、フェロアロイ、普通鋼鋼材合計及び普通鋼主要品種 暦年別輸出量推移
《銑鉄・半製品》
図6に銑鉄、半製品の輸出量推移を示す。暦年、年度及び四半期データは月換算値で示している。
図6 銑鉄、半製品の輸出量推移(暦年及び年度データは月換算値)
《銑鉄》
<2023年12月の銑鉄向け先別輸出量>
・2023年12月の銑鉄輸出量は833トンと前月(3,160トン)比では73.6 %減、前年同月(4,194トン)比でも、80.1 %減と減少した。
《半製品》
<2023年12月の半製品向け先別輸出量>
・2023年12月の半品輸出量は、24万9,144トン(前年同月[21万1,931トン)比17.6 %増]となり4か月連続で増加した。
《普通鋼鋼材輸出》
図7には、銑鉄、半製品、普通鋼合計及び普通鋼主要品種(厚板、冷延広幅帯鋼、亜鉛めっき鋼板及び熱延広幅帯鋼)の 四半期別輸入量推移を示す。2021年7〜9月期から、亜鉛めっき鋼板の輸出量は減少傾向を示し、2021年10〜12月期からは冷延広幅帯鋼の輸出量も減少した。2022年10〜12月期からは厚板の輸出量も増加したが、2023年10~12月期では減少した。
図7 銑鉄、半製品、普通鋼鋼材合計及び普通鋼主要品種別四半期輸入量推移
図8には、主要品種(厚板、冷延広幅帯鋼、亜鉛めっき鋼板及び熱延広幅帯鋼)別輸出量推移を示す。
図8 主要品種別輸出推移(月率換算)2016年度~2023年12月
<主要国への普通鋼鋼材の仕向け先別輸出量詳細>
2023年12月の普通鋼鋼材輸出量は173.2万トン、前年同月比で3.9 %減と2か月連続の減少となった。
<2023年の状況>
・2023暦年の輸出量は、2,264万2,105トンと前年同期(2,140万4,127トン)比5.8 %増となった。
・2023年度(4月~12月)累計の輸出量は、1,703万2,631トンと前年同期(1,601万9,511トン)比6.3 %増となった。
主要国への普通鋼鋼材の仕向け先別輸出量(単位:トン)
2023年12月の熱延広幅帯鋼の輸出量は、95.4万トン、前年同月比では5.3 %増の2か月連続の増加となった。
その他の主要品種別では、厚板(18.1万トン、同33.2 %減)が2か月連続、亜鉛めっき鋼板(18.2万トン、同0.7 %減)が3か月連続、冷延広幅帯鋼(9.2万トン、同19.1 %減)が3か月ぶりの減少となった。
《熱延広幅帯鋼》
<2022年の振り返り>
・2022暦年の輸出量は、1,081万9,280トンと2021暦年(1,064万7,215トン)比1.6 %増だった。
・2022年度の輸出量は、1,110万6,860トンと2021年度(1,066万9,316トン)比4.1 %増だった。
<2023年の状況>
・2023暦年は1,227万6,324トンとなり、2022暦年比13.5%増となった。
・2023年度(4月~12月)累計の輸出量は、930万574トンと前年同期(813万1,110トン)比14.4 %増となった。
主要国への熱延広幅帯鋼の輸出量(単位:トン)
《厚板》
<2022年の振り返り>
・2022暦年の輸出量は、291万1,908トンと2021暦年(265万1,902トン)比9.8 %増だった。
・2022年度の輸出量は、297万6,634トンと2021年度(279万1,650トン)比6.6 %増だった。
<2023年の状況>
・2023暦年の輸出量は、295万4,091トンと2022暦年同期(291万1,908トン)比1.4 %増となった。
・2023年度(4月~12月)累計の輸出量は、217万5,384トンと2022年度同期(219万7,927トン)比1.0 %減となった。
主要国への厚板の輸出量(単位:トン)
《冷延広幅帯鋼》
<2022年の振り返り>
・2022暦年の輸出量は、164万4,368トンと2021暦年(206万5,921トン)比20.4 %減だった
・2022年度の輸出量は、155万5,655トンと2021年度(201万8,533トン)比22.9 %減だった
<2023年の状況>
・2023暦年の輸出量は、153万4,238トンと2022暦年同期(164万4,368トン)比6.7 %減となった。
・2023年度(4月~12月)累計の輸出量は、115万3,485トンと2022年度同期(117万4,902トン)比1.8 %減となった。
主要国への冷延広幅帯鋼の輸出量(単位:トン)
《亜鉛めっき鋼板》
<2022年の振り返り>
・2022暦年の輸出量は、204万2,924トンと2021暦年(255万3,607トン)比20.0 %減だった。
・2022年度の輸出量は、208万5,850ンと2021年度(242万9,639トン)比14.1 %減だった。
<2023年の状況>
・2023暦年の輸出量は、214万6,539トンと2022暦年同期(204万2,924トン)比5.1 %増となった。
・2022年度(4月~12月)累計の輸出量は、159万3,991トンと2022年度同期(153万3,302トン)比4.0 %増となった。
主要国への亜鉛めっき鋼板の輸出量(単位:トン)
(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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