パナエナジー、カナダNMGから黒鉛調達へ GMも出資、EV電池負極材向け
パナソニック エナジーは2月15日、自社ホームページ上で、カナダの負極材メーカーであるヌーボー・モンド・グラファイト(Nouveau Monde Graphite、NMG)との間で、「2500万ドルの出資と 7 年間の長期供給契約を締結した」と発表した。NMGには 米ゼネラル・モーターズ(GM)も出資し、出資総額は両社で1億5000万ドルに達する見通しだ。
■三井物産はNMG株を取得
パナエナジーによると、同契約とは別に、三井物産は、同社が保有していた NMG の転換社債に代えて 2500万ドル相当のNMG株を取得する。
一方、NMGの発表では、パナエナジーとGMはバッテリーの負極材である黒鉛をそれぞれ年間1万8000トン購入する。これはNMGが建設を計画しているケベック州ベカンクールの新工場の年産量の85%を占める予定だ。
プレスリリース(英語):NMG Announces Offtake Agreement with GM
■前週には豪社と黒鉛供給契約、米EV見据え調達急ぐ
NMGはケベック州のマタウィニー鉱山で採掘された黒鉛を精製し、ベカンクール にある電池材料工場で負極材を生産する。ベカンクールには、GMとフォード・モーターが既にEVバッテリー部品工場を建設している。
パナエナジーは2023年9月に日本政府のカナダ訪問に同行し、NMGとの協力協議を始めていた。2月9日にはオーストラリアのノボニックス(Novonix Limited)と人造黒鉛の長期供給契約を締結したと発表してもいる。北米でのEV需要の拡大を見据え、黒鉛調達を急ぐ。
関連記事: 日・カナダ 蓄電池サプライチェーンづくりへ――協力覚書に署名 | MIRU (iru-miru.com)
関連記事: 週刊バッテリートピックス 「パナエナジー黒鉛調達」「山手線火災で廃棄に関心」など | MIRU (iru-miru.com)
(IR Universe Kure)
関連記事
- 2025/08/20 バッテリー動向・関税などのマクロ経済の視点で語られる②、日本からは棚町氏―GBRC 2025 SMM#2
- 2025/08/20 国内よう素PSI実績Report #7 2025年前半国内販売量 3年ぶり増加
- 2025/08/20 欧州からの風:July 2025 「欧州委員会、金属スクラップの輸出入監視を導入」
- 2025/08/20 GBRC 2025 SMMバッテリーリサイクル・循環産業大会アーカイブ
- 2025/08/19 バッテリー動向・関税などのマクロ経済の視点で語られる①――GBRC 2025 SMM#1
- 2025/08/19 コバルト市場近況2025#8 横ばい、コンゴ輸出規制を様子見 硫酸コバルトは高い
- 2025/08/19 国内伸銅品PSI実績Report #64 2025年前半需要回復基調強い
- 2025/08/19 産業用ロボット輸出Report#80 2025年前半輸出額2年ぶり増加 米中向けがけん引
- 2025/08/19 二次電池輸出入Report #190鉛蓄電池輸入 2025年前半輸入額前年比11%増加
- 2025/08/19 欧州からの風:August 2025 「リチウム硫黄電池大手Lyten、Northvoltを買収」