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コバルト市場近況2024#3 「ワ二の口」一段と、 2028年まで供給過剰との見方

 2024年3月のコバルト市場は、ベンチマークとなるLGコバルトがじり安となる一方、ハイグレードなHGコバルトは堅調が続き、両者のチャートが形成する「ワニの口」が一段と広がった。コバルト全体の供給過剰が今後も長期にわたり続くとの見方が多く、合金向け以外では底入れ感はまだ感じられない。

 

 ■兵器向け好調を背景にHG堅調

 

 過去6か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)とHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移

 

 LGとHGの明暗は2024年に入ったころから顕著になり始めた。2023年までは同調した値動きだったが、LGコバルトの仲値が同年12月に節目の$14/LBを割り込んでからじりじりと下落したのに対し、HGコバルト仲値は上昇基調を継続。3月14日にはLGコバルト$13.625/LBに対し、HGは$16.875/LBと2023年12月初旬以来の高値に上げ、両者の価格差は$4弱にまで広がった。

 HGの堅調は、軍用機を含めた航空機向けスーパーアロイなどの好調が影響しているとの見方が多い。ロシアのウクライナ侵攻やガザ地区での紛争などの地域が長引く中、コバルトだけでなくチタンなども合金向け価格が好調で、その流れがコバルトにも波及している模様だ。

 

■LMEコバルトはやや戻すも4年ぶり安値

 

過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)

 

 電池向けの硫酸コバルトは3月14日に仲値RMB3万2500/mtに上げた。1月下旬からRMB3万1000/mtで動きがなかったが、やっと買いが入った。電気自動車(EV)の販売伸び悩みへの過度な警戒が一服した感じだ。ただ、EV需要が予想に届いていない状況は変わらず、なお上値は重い。

 

過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)

 

 国際価格であるLMEコバルト価格も、構造的な供給過剰を消化しきれず弱い。3月19日価格は$28.290/ton。2月初旬に$28.100に急落した後、やや戻してはいるが勢いがあるとはいえず、2020年3月以来ほぼ4年ぶりの安値圏に沈んでいる。

 

■23年は過去最大規模の供給過剰

 英紙フィナンシャル・タイムズは3月2日、英コバルト商社のダートン・コモディティの分析として、「コバルトの供給過剰は2028年ごろまで続く」との見方を伝えた。中国の洛陽モリブデン業(チャイナ・モリブデン、CMOC)によるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)での増産と、インドネシアでのコバルト混合物の生産増が背景にある。

 ダートンは、2023年はコバルト需要が12%増えたのに対し生産量は17%増え、過去最大規模の供給超過だったと指摘したとも伝わった。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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