パナソニック エナジー:車載用リチウムイオン電池の生産拡大を支える量産プロセス向上のため住之江 生産プロセス開発棟を竣工
2024年4月11日、パナソニック エナジーは「車載用リチウムイオン電池の生産拡大を支える量産プロセス向上のため住之江 生産プロセス開発棟を竣工~次世代モノづくり開発を担う生産技術機能のコア拠点を確立~」を発表した。
詳細は以下。
パナソニック エナジー株式会社(本社:大阪府守口市、社長執行役員:只信 一生、以下 同社)は、車載用リチウムイオン電池の生産競争力強化を目的に、生産拠点である住之江工場(大阪市)の敷地内に、住之江 生産プロセス開発棟(以下 新棟)を設立し、本日、竣工式を行った。
電気自動車(以下 EV)ならびに車載電池の市場が拡大する中、同社はEVの普及に向けて電池の性能向上や技術革新に取り組むと同時に、グローバルでの生産能力向上を進めている。今後、モノづくりの競争力を高め続けるために必要な生産技術開発や大型検証機を用いた実証実験の推進による検証期間の短縮、生産技術リソース拡充への対応などを目的に、この度、次世代モノづくり開発を担う生産プロセス技術のコア拠点として、製造機能と連携が可能な新棟を建設した。
新棟は、鉄骨造4階建て、延床面積 約7,900 m2で、これまでにない変化へ果敢にチャレンジする想いを込めて、外観は「イノベーティブを創出するシンボリックなデザイン」をコンセプトとする。
1階から3階にある実験エリアでは、次世代プロセスの量産化技術開発や工場向け大型量産設備の事前検証エリアを備え、3階と4階のオフィスフロアと合わせて、生産技術人財が約400人勤務する予定。2025年4月に大阪・西門真地区で竣工予定のセル開発の研究開発棟(以下 西門真 研究開発棟)とあわせて、約1,100人の人財が電池関連の研究開発に従事する予定であり、国内最大規模の電池の研究開発体制となることが見込まれる。
新棟はDX開発拠点としての役割も担い、同社傘下全工場の電池をデータマネジメントする「データ解析プラットフォーム」や工場レイアウトを検討する際の「搬送シミュレーション」など情報を集約しデジタル化を進めていく。加えて、GX(注1)開発拠点として巻き取り技術や溶接技術開発による高効率設備の実装や、乾式の新塗工技術を用いたエネルギー生産性の最適化検証を加速する。また、西門真 研究開発棟とも連携した商品開発も今後推進の予定。
車載用リチウムイオン電池を生産する住之江工場は環境と調和したモノづくりを目指しており、太陽光パネルの設置やオフサイトコーポレートPPA(注2)等、再生可能エネルギーを最大限活用する。
また再生可能エネルギーにより発電された電気の環境価値を証書化した非化石証書と燃料をオフセットするJクレジットを活用し、2024年1月にCO2排出実質ゼロ工場を達成した。今回の新棟の屋上にも太陽光パネルを設置する。
同社は、優れた電池技術、および豊富な知見によりモノづくり力を高め続けることで、ミッションである「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」に向けて、今後もリチウムイオン電池業界の成長に貢献していきます。
(注1)GX:グリーントランスフォーメーション。温室効果ガスを発生させる化石燃料から太陽光発電などのクリーンエナジー中心へと転換し、経済社会システム全体を変革しようとする取り組み。
(注2)Power Purchase Agreement。企業・自治体が保有する施設の屋根や遊休地を発電事業者が借り、無償で太陽電池等、発電設備を設置。発電した電気を企業・自治体が使うスキーム。
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