再生材の時代 電子材料分野で次々に再生材が求められる
産業界に拡充するSDGsブーム、カーボンニュートラル&CE(サーキュラーエコノミー)ブームによってよりCO2の少ない原料、素材を求める傾向が強くなっている。
広く知られているところではApple、intelなどが再生素材の利用を大々的にアピールしている。
いわば再生金、再生銅、再生錫、再生タングステン、再生希土類(レアアース)、再生コバルト、再生ニッケル・・バージン原料よりもリサイクル材が環境にやさしい、CO2削減に寄与する、ひいいては企業価値も向上し、株価も上昇、という流れが出来上がっている。
そのトレンドを汲んで、素材メーカー各社とも再生銅、再生アルミなどの生産、開発に注力している。
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こうした状況下、村田製作所はスマートフォンなどに採用される樹脂多層基板「メトロサーク」の材料に、リサイクル100%銅箔の採用を始めたという。仕入れ先と連携して実用化し、すでに量産を開始したとのこと。同社では持続可能な資源利用実現に向けたサプライチェーン構築を進め、電子部品メーカーとしての競争力向上につなげる。
メトロサークは樹脂材料と銅箔を貼り合わせたシートを必要な層だけ重ねて一括プレスした多層基板。柔軟で高強度な高機能樹脂を採用したことで曲げ加工にも対応し、必要に応じて基板を3次元形状に加工でき、スマホ向けなどを中心に採用が拡大している。
村田製作所では他に、MLCCの製造工程で使うPETフィルムの水平リサイクルも実施しており、あらゆる製品で「再生材」を使っている。
この動きは電子材料だけでなく、自動車、建築材、住宅向け材料、などほぼすべての製品と素材に広がりつつある。
本格的な再生材の時代に入っている。
ここで重要なことはリサイクラー、素材メーカー、ユーザー(自動車メーカーなど)の一体感が必要ということと、かつてのようにバージン材料よりも再生材のほうが価値がある(コストもかかる)ゆえに、その価値をユーザーが認めていくこともスムーズな国内資源循環には肝要となる。
(IRUNIVERSE/MIRU YT)
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