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ヨコオ(6800)23/3期WEB取材メモ ニュートラル継続

24/3期1.4%減収65.9%営利減34.6%経常減と半導体関連、微細コネクタ不振で収益低迷

株価1970円(5/22)   時価総額469億円    発行済株23849千株

PER(DO25/3期予14.2X)PBR(0.91X)配当(25/3DO予)50円  配当利回り:2.5%

 

要約

・24/3期1.4%減収65.9%営利減34.6%経常減と半導体関連、微細コネクタ不振で収益低迷

・25/3期車載通信黒字定着も回路コネクタ回復下期にズレ5.5%増収、営利23/3期比減予想

・中期経営目標で27/3期に売上高965.5億円、営利109.5億円目指すが半導体向けが鍵握る

 

24/31.4%減収65.9%営利減34.6%経常減と半導体関連、微細コネクタ不振で収益低迷

 

 車載アンテナ、半導体検査用ソケット、小型端末向けスプリングコネクタなどを3本柱に事業展開。24/3期決算が5/14に開示され、5/21にハイブリッド説明会が実施された。24/3期は売上高768.95億円(期初計画比1.05億円未達、2/8修正予想比8.95億円増額、1.4%減)、営業利益16.17億円(同15.83億円未達、同6.17億円増額、65.9%減)、経常利益37.10億円(同9.60億円増額、同13.10億円増額、34.6%減)、税引利益15.11億円(同4.89億円未達、同1.11億円増額、52.0%減)と、期初計画に対し大幅未達も、2/9修正予想比で増額着地となった。

 

 セグメント別では車載通信機器(VCCS)が自動車生産の回復、物流混乱の沈静化の中で主力ユーザーのトヨタ向け等が順調に回復、主力製品のシャークフィンアンテナ/GPSアンテナ等が伸びた。円安で為替見かけが膨らんだ事もあるが、売上高555.83億円(期初計画比58.83億円増額、2/9予想比2.33億円増額、20.6%増)に。ちなみに最大ユーザーの北米トヨタ向けは125.65億円(25.1%増)となっている。営業利益も31.00億円(同20億円増額、同3.50億円増額、48.01億円改善し黒字転換)と、23/3期の構造改革の効果、主力メーカーに対する価格改定、増収効果が加わり黒字体質が定着、円安が利益面でマイナス影響がある中で利益改善が加速した。

 

 回路検査コネクタ(CTC)は売上高125.85億円(同59.15億円未達、同3.85億円増額、43.8%減)、営業損失7.94億円(同29.94億円未達、同1.56億円増額、69.63億円悪化し赤字転落)と主力半導体ユーザーの低迷が響き赤字転落に。部門別では全体の8割弱を占める後工程テストソケットがインテルの不振、またインテルが一部ソケット以外の方式でテストする方式に転換する中で大幅減に。またインテル以外でAIチップ需要はピン需要が中心でソケット需要に結びつかず、MIX悪化も加わる。前工程では前期好調だったクアルコム向けが失速、新規ユーザー寄与もほとんど無く低迷。RF向けのYPXもスマホ不振影響で能力増強が裏目になる。全体を通じ、半導体産業の落ち込み以上に特定ユーザー、特製製品に偏った需要構成だった事が大幅減収の要因に。利益面では能力増強投資で償却費が16.98億円(35.9%増)、と減収でも増加、但し営利減の大半は70.63億円の減収影響による。同部門は為替でプラス影響も有り、2/9修正予想比では増額に。

 

 無線通信機器は売上高83.73億円(同1.27億円未達、同2.73億円増額、7.5%減)、営利1.17億円(同2.17億円増額、同0.67億円増額、85.3%減)と従来高収益だったスプリングコネクタの不振が影響している。売上面で7割を占めるスプリングコネクタが主力ユーザーであるPOS端末メーカー向けでシェアダウン、スマホの販売不振でサムスン向けのワイヤレスイヤホン向けも低迷。一方、医療用微細部品はほぼ計画並みに推移。営業利益の増減要因では、MIX悪化で4.78億円の減益効果、労務費増、先行投資など固定費増など5.00億円が響き、利益半減を余儀なくされた。利益率の低下要因には、スプリングコネクタ分野で中国メーカーなどの台頭で価格攻勢を受けて収益性そのものの低下が影響していることも大きい。

 

 24/3期より分割表示したインキュベーションセンター部門は先行投資事業を集約したもので、売上高3.52億円(同0.48億円未達、同0.02億円増額、21.1%減)、営業損失8.11億円(前期比2.77億円赤字拡大)となっている。

 

 全体として収益性の高い半導体事業の低迷、無線通信機器の構造変化による収益性の悪化を収益の改善が進む車載機器で補えずMIX悪化で微減収ながら大幅営利利益減に。なお為替が円安に推移(想定1$=130円、結果144.58円)営業外に20.99億円(5.80億円増加)の為替差益を計上している。 

 

 

25/3期車載通信黒字定着も回路コネクタ回復下期にズレ5.5%増収、営利23/3期比減予想

 

 25/3期会社予想は売上高811.5億円(5.5%増)、営利45.5億円(2.8倍)、経常利益37.5億円(1.1%増)、税引利益25億円(65.4%増)予想。この内、25/3H1を売上高400億円(8.7%増)、営利18億円(19.2億円改善)、経常10億円(41.2%減)、税引6.5億円(32.2%減)、25/3H2を売上高411.5億円(同期比2.6%増)、営利27.5億円(同58.3%増)、経常27.5億円(36.9%増)、税引25億円(65.4%増)予想としており、25/3H2に漸く収益の正常化が戻る予想となっている。これは高収益の回路コネクタが半導体生産の下期からの回復を見込んでいるため。但し全体として収益性の回復が遅れ、25/3期営利予想は23/3期の47.39億円までの回復は難しいとしている。

 

 事業別では車載通信機器が556.5億円(0.1%増)、営利34.5億円(11.3%増)予想。自動車生産においてトヨタが過去最高の生産を行う等、売上が堅調に推移、利益面では急激な円安が落ち着き効率改善も寄与する見通し。

 

 回路検査は売上高155億円(23.2%増)、営利12億円(19.94億円改善し黒字転換)予想とした。25/3H1は売上高75億円(同期比21.2%増、24/3H2比25.1%増)、営利2.50億円(同期比7.11億円増額、黒字転換、24/3H2比5.83億円改善し黒字転換)、25/3H2に売上高80億円(同期比25.1%増、25/3H1比6.7%増)、営利9.5億円(同12.83億円改善し黒字転換、25/3H1比3.8倍)予想。従来前工程が25/3H1に新モデル対応売上となる見通しも多少遅れる見通しのほか、主力のテストソケットは25/3H2に本格回復するとみられ、利益回復が下期にずれる見通し。YPXもスマホ新モデル向けにスカイワークス向けが後半で寄与すると見られる。

 

 無線通信機器は売上高96.50億円(15.3%増)、営利7億円(6.0倍)予想。POS需要の低迷が一服、在庫調整も進み回復、医療用は手術の回復、黒字化定着するも全体ではMIX悪化で収益性は依然として改善が緩やかとみられる。

 

 全体として、半導体向けの収益回復が半期ずれるイメージで、無線通信機器の体質改善も時間を要するため、増収ながら23/3期営利に届かない見通しに。現状、車載関連はトヨタの好調から増額が見込まれ、半導体関連も下期回復テンポが加速する見通しで、為替前提も1$=145円であり、感応度が1円円安で1.3億円の寄与と想定して、会社予想を上回る収益が見込め、結果として23/3期営利を上回るまでの回復が期待される。

 

中期経営目標で27/3期に売上高965.5億円、営利109.5億円目指すが半導体向けが鍵握る

 

 同社は今回、中期経営計画として27/3期に売上高965.5億円、営利109.5億円、29/3期に売上高1087.5億円、営利137.5億円を目指す経営目標を公表した。

 

 

 成長戦略として従来事業の成長・収益基盤強化に加え、新たな事業の獲得、他社との協業、M&Aも実行し、売上高1000億円超を目指すとした。VCCS事業では車両進化に伴う高付加価値品の投入、ADAS製品への参入、CTCでは3D対応などで新たなテストニーズの獲得、統合テストソリューション企業に向けM&Aも含め事業拡大を図る計画。民生コネクタではスプリングコネクタのコスト削減を実行し、価格競争力の強化、従来参入していなかった価格帯へも製品投入しシェア拡大を目指すとした。医療向けではベンチャー等と協業し、新規需要を取り込むとしている。インキュベーションセンターではサブスクビジネスなどを想定、29/3期の収益化を見込む。

 

 全体として柱となるのが半導体事業であり、VCCSでのADAS事業やMD事業の本格拡大には時間を要するとみられ、利益の拡大は半導体事業に依存する割合が高く、結果として中計達成は半導体事業の成否がポイントとなろう。現状、主力の前工程ではインテルHPC向けが主力とみられ、如何に非インテルを取り込むかが課題となろう。現在、プローブピンの供給に止まっているとみられるAIロジック向け等で如何に新規を獲得するかが課題。前工程についてもクアルコム向け1本から如何に第2、第3のユーザーを拡大するかがポイントとなろう。YPXについては既に新たな引合いがあるとのことで、こちらは順調な拡大が期待される。なおAI半導体では光電融合、PC内信号高速化などで電機*光の検査センサが必要となり、同分野では他社との協業、M&A等で事業拡大を目指す模様。現状、クアルコムについては新たな動きがあり、半導体市場全体としては25年以降成長が加速する見通しから、結果として従来事業の延長でも27/3期中計予想の達成は可能とみられる。

 

 株価は業績低迷を受け下落も、24/3H1で悪材料を織込んだ形で緩やかに上昇、24/3期決算が計画比上振れで着地、25/3期に高い増益率を見込んだこと、新中計で高成長計画を開示したことを評価、株価が2023年5月以来の2000円大台超えとなった。現在25/3期会社予想EPS107.25円に対しPER18.7倍はプライム電機平均PER23.2倍に対し割安感がある。但し、山一電機15.0倍、エンプラスの13.6倍に対しては多少割高感がある。回路部門の収益復元力を慎重に見過ぎており増額修正が見込まれるが、山一電機も増額含みで、とりあえず実際に増額修正がアナウンスされるまではニュートラル継続としたい。

 

 

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

 
 

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