加ソラリス、中国・紫金鉱業からの出資受け入れ中止 カナダ政府の認可下りず計画とん挫
2024/05/23 11:55
カナダの鉱業大手ソラリス・リソーシズは5月21日、自社ホームページ上で、中国同業の紫金鉱業からの出資受け入れ計画を中止すると発表した。カナダの規制当局からの審査が下りず、受け入れ額の評価が変わってしまったため。
プレスリリース(英語): Solaris Resources: Press Releases
ソラリスによると、計画当初の受け入れ額はトロント株式市場でのソラリスの直近株価に14%上乗せした水準だったが、4か月間の審査機関中に株価が35%値上がりし、設定価格の魅力が落ちてしまった。この先、審査が通るかが不確実で、他の資金調達手段も得たことから、計画を白紙に戻したと説明した。
両社は2024年1月に受け入れ計画を発表。ソラリスが新たに発行する普通株2850万株を紫金が1株当たり4・55カナダドルで引き受け、ソラリスの発行済み株式のうち15%を保有する計画だった。紫金からの出資総額は1億2960万カナダドル(約108億円)で、ソラリスは調達した資金を中核事業である南米エクアドルのワリンツァでの斑岩銅鉱床の拡充に充てるとしていた。
関連記事: 中国・紫金鉱業、加同業ソラリス株15%保有へ 100億円超で | MIRU (iru-miru.com)
カナダと中国の関係が悪化する中、重要鉱物を扱うこの取引には当初から安全保障面の懸念があり、審査通過を危ぶむ声があった。ただ、ソラリス側は、取引は小規模出資であり、カナダ国外の資産の拡充によりカナダ国内に恩恵をもたらすことが目的でもあったことから、審査は通ると予測していたとしている。
紫金側は、5月23日までにこの件に関する発表はしていない。
(IR Universe Kure)
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