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Applied Materials(AMAT) 2024年10月期第2四半期売上高は前年同期並

 米Applied Materials(AMAT)の2024年10月期第2四半期(2024年2月~4月)の売上高は66億5,000万米ドル(前年度同期比0.2%増、前四半期比1%減)となった。AI、EV、IoTなどの技術発展に伴い先端半導体製造装置の需要が堅調に推移、安定した業績につながった。営業利益は同横ばいの19億1,200万米ドル(前四半期比3%減)、純利益は同9.3%増の17億2,200万米ドルに増加している。

 顧客としては韓国Samsung Electronicsが最大で、売上高の13%を同社向けが占めている。

 

中国市場がけん引

 

 中国向け売上高が前年度から倍増、他地域の落ち込みをカバーしている。地域別売上高は、中国が前年度同期比101.5%増の28億3,100万米ドル(構成比率43%)となった。

 

 一方、米国は同23.4%減の8億5,300万米ドル(同13%)、欧州が同39.4%減の2億8,900万米ドル(同4%)、韓国は同37.0%減の9億9,800万米ドル(同15%)、台湾も同29.0%減の10億9,100万米ドル(同15%)となり売り上げを大幅に減少させることとなった。

 

 日本は同1.5%減の4億5,300万米ドル(同7%)と小さな落ち込みにドどまった。Tawan Semiconductor Manufacturing(TSMC)、マイクロンメモリジャパンなどの海外企業の日本工場向け投資が進む、パワー半導体向けの投資が堅調に推移したため、キオクシアの投資の見直しなどがあったものの、製造装置需要は安定して推移した。

 

DRAM向け装置が好調

 

 事業分野別では半導体製造装置事業は、売上高が前年度同期比1.5%減(前四半期比横這い)の49億100万米ドル、営業利益は同0.8%減の17億100万米ドルとなった。半導体製造装置としては、エッチング装置、RTP(Rapid Thermal Processing)装置、成膜装置、イオン注入装置、CMP装置、検査・測定装置、ウェーハパッケージング装置などが含まれる。

 

 応用分野別売上高構成比率はファンドリ&ロジックが65%(前年度同期から19%ポイント減)、DRAMは32%(同21%ポイント増)、フラッシュメモリは3%(同2%ポイント減)。生成AIサーバ向けに高性能DRAM、それらを3次元積層し高速化したHBM(High Bandwidth Memoery)の需要が拡大、DRAM生産能力の拡大が進んでいることから、製造装置需要も拡大、売上高をけん引することになった。ファンドリ&ロジック分野では最先端プロセス向け投資が減少したことから、対象装置売上高もダウンした。

 しかし、IoT、通信、自動車、パワー、センサなど最先端ではないプロセスノードを使う特殊用途向け半導体(ICAPS)向けの製品グループ向けの売上高も四半期を通じて拡大している。

 

 アフターサービス、パーツ、中古装置などを含むApplied Global Service(AGS)事業は、売上高が同7.1%増(前四半期比7.3%増)の15億3,000万米ドル、営業利益は同13.5%増の4億3,600万米ドルとなった。累積出荷台数の拡大(20万チャンバを上回る)に伴い、順調に売上高を拡大している。19四半期連続で前年同期売上高を上回ることになった。

 ディスプレイ・派生製品事業は売上高が同6.7%増の1億7,900万米ドル。営業利益は同3分の1の500万米ドルにまで減少した。

 

2024年第3四半期は前四半期横這いの見通し

 

 2024年第3四半期については、前四半期横這いの売上高66億5000万米ドルから4億米ドルと予想している。

 応用分野では、HBM製造用途では2024年度中に6億米ドルを上回る規模に拡大することを期待している。最先端のトランジスタ構造であるGate All Around(GAA)構造(*)形成関連分野での売上高は2024年に25億米ドルを上回るものと予想している。同分野向け売上高は2025年度には2倍以上にまで拡大するとの見方を示している。

 このほかに技術分野では先端パッケージ(Advenced Package)分野向けの売上高も拡大しており、2024年中には17億米ドル規模も見込めるとしている。

 

(*GAA)

ゲートが半導体チャネルを4方向から全面的に囲む構造。リーク電流を抑え、電流の流れをより細かく制御できるようにした。これにより高い集積度、低電力消費、高性能を実現している。3nm以下の最先端プロセスレベルからの導入が見込まれている。

 

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柴田浩一(Koichi Shibata)

IRUniverse 半導体産業担当記者

1985年から30年超にわたり半導体業界で、取材、記事制作、編集を行ってきた。

半導体関連の業界団体への協力も行っている。

 

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