東芝のニオブチタンLIBは新たな需要を喚起するか?
2024/07/10 18:44
東芝(および双日、CBMM)は先月、ニオブチタン酸化物(Niobium Titanium Oxide、以下、NTO)を負極に用いた次世代リチウムイオン電池を試作型のEVバスに搭載したことを発表している。ユニークな、ニッチなリチウムイオン電池の製造が得意な東芝らしい新型電池である。
供給的には安定し、価格も安定しているニオブ、のなかでもニオブのトップサプライヤーであるブラジルCBMM社のニオブを採用したことが重要なポイントになっている。
先月のリリースは以下である。
NTOを負極に用いたリチウムイオン電池を搭載した電気自動車の走行は世界初となり、今後3社は、各社の技術・ノウハウ・知見を最大限に活用し、2025年春のNTOを用いた次世代リチウムイオン電池の製品化およびグローバルでの販売に向けた活動を推進していきます。とのこと。
この電池の関係者によると、ニオブをたっぷり使うことで、電池のエネルギー密度が格段に上がるのだという。ブラジルCBMM社はこの東芝NTO電池のために五酸化ニオブの生産を開始した、という。原料の供給不安もなく、エネルギー密度も高い、それでいてリーズナブルなコストで提供できれば、新たな市場を獲得することはそう難しくないだろう。
最近1年間の五酸化ニオブ価格の推移($/kg)
(IRuniverse)
関連記事
- 2025/06/17 カナダTMC、高麗亜鉛から出資受け入れ 米国向けのコバルトやニッケル供給を拡大へ
- 2025/06/17 VOLTAが東京都環境局のモデル事業者に採択
- 2025/06/17 チタン原料市場市況2025年6月 総じて下落 イルメナイトとフェロチタンが4年半ぶり安値
- 2025/06/17 日本国内ケーブルPSIレポート#30光ファイバ 光ファイバ生産量回復続く
- 2025/06/17 国内伸銅品PSI実績Report #62 2025年1-4月 4年ぶりに前年の販売量を上回る
- 2025/06/17 国内電気銅PSI Report #29 伸銅品向け販売量増加 電線・ケーブル向け減少
- 2025/06/17 ハフニウム輸入Report#5 2025年輸入量増加 中国以外からの輸入が占める
- 2025/06/17 二次電池輸出入Report #183鉛蓄電池輸入 韓国中国からの輸入堅調 台湾増加に転じるか
- 2025/06/17 産業用ロボット輸出Report#78 米中向け輸出増加続く 欧州と中国以外のアジア向け輸出回復待ち
- 2025/06/16 中国の研究者、塩湖からのルビジウム抽出に成功 鉱石の対外依存の低下に貢献か