イボキン(5699)24/12H1WEB説明会メモ 増額修正期待でややポジティブに変更
24/12期は24/12H1に利益上振れも6.4%増収5.0%営利増に変更なく通期増額最高益期待
株価1215円(8/28) 時価総額41億円 発行済株3427千株
PER(24/12期DO予:7.1X)PBR(0.95X)配当DO24/12予27.5円 配当利回り:2.2%
要約
・24/12H1は風力発電所大型解体工事進捗、非鉄金属市況高で31.8%増収89.9%営利増
・24/12期6.4%増収5.0%営利増予想に変更なく上期進捗率高く通期は上振れ最高益期待
・中計で26/12期に売上高115億円、営利9億円目標は前倒し達成期待
24/12H1は風力発電所大型解体工事進捗、非鉄金属市況高で31.8%増収89.9%営利増
1984年創業の総合リサイクル企業。関西地区を中心に、現在は全国規模で解体、廃棄物処理、金属加工の事業を展開する。24/12H1決算が8/9に発表され、WEB説明会が8/22に開催された。24/12H1は売上高49.87億円(31.8%増)、営業利益4.30億円(89.9%増)、経常利益4.45億円(90.2%増)と、スクラップ価格が堅調に推移、風力発電所の大型解体工事が進捗、大幅な収益拡大となった。
事業別に解体事業が売上高13.43億円(66.1%増)、営利1.91億円(3.2倍)。風力発電所の大型解体工事案件が進捗、大幅増収増益に。
環境事業は売上高9.65億円(11.3%増)、営利1.40億円(32.1%増)。産業廃棄物処理受託量が9488t(21.3%減)と軟調に推移も、再生資源販売取扱量は7878t(4.4%増)となった。排出先の地域経済の回復が鈍く廃棄物の受け入れが減少も高付加価値案件の取り込みを推進、非鉄金属の再生資源販売が相場上昇で伸長し、全体で増収増益に。
金属事業は売上高26.79億円(27.1%増)、営利1.0億円(59.4%増)に。金属スクラップ取扱量が38563t(40.9%増)と大型解体案件から発生したスクラップの販売が寄与(同社工場での取扱量が29941t)。一部電炉メーカーの市場在庫過剰影響で利益圧迫要因があったものの、非鉄金属市況の上昇、MIX良化で大幅増益に。
全体での営利増減要因では、解体工事で大型工事の進捗、非鉄相場の上昇による増収効果で3.31億円のプラスとなり、一方で、労務費、減価償却費、販管費負担増などのコスト増1.25億円があったが増収効果が大きく大幅増益に。
24/12期6.4%増収5.0%営利増予想に変更なく上期進捗率高く通期は上振れ最高益期待
24/12期会社予想に変更はなく、売上高92.16億円(6.4%増)、営利6.13億円(0.5%増)、経常利益6.24億円(3.1%増)、税引利益4.0億円(1.0%増)予想を据え置いた。現状、24/12H1での進捗率は売上高54%、営利では70%に達する。逆算して24/12H2は同期比13.3%減収、48.9%営利減予想となる。もともと半期予想、事業別予想開示が無い問題があるが、解体事業は前期の大型受注の完工が進んでおり、非鉄金属相場も堅調な推移を示している。環境関連が季節性で上期比利益減となるとしても、非鉄金属市況の前提に対し上振れが続いており、24/12H2も同期比で増収増益を確保できると判断、収益上振れで24/12期は最高益更新が期待される。
中計で26/12期に売上高115億円、営利9億円目標は前倒し達成期待
同社は3月に中期経営計画として、26/12期に売上高115億円、営業利益9億円を経営目標として掲げた。同社は長期ビジョンとして静脈産業を統合し社会を変革する能力を持つことで、動脈産業と協働し循環型社会への転換を主導したいとしている。これを踏まえ、33/12期にグループ従業員350名、売上高300億円、営利25億円目指すとしており、中計をこのステージ導入期と位置付けている。
事業展開の基本的な考え方は、強みとする、解体、環境、金属の3事業をワンストップで展開することにある。そして中計では同社の主力地域である関西圏でのワンストップ化を特に強化する方針。また成長のエンジンとして解体事業では風力発電所解体事業の推進、超大型解体用重機の追加導入で大型案件への対応強化を進める。また事業拡大に伴い、解体事業中心に工事監督者数を26年には現在の31人(24/6現在)から56人に増員する計画にある。技術面では解体事業ではドローンや自走式ロボット、遠隔操作による無人解体、リサイクル事業ではAI画像認識、遠隔操作などで効率向上を図る。
現状、24/12期について増額修正が期待され、25/12期についてもワンストップ化のシナジー効果も加わるとみられ、中計の利益前倒し達成も期待される。
株価は24/12期会社予想EPS120.9円に対し、PER10.0倍と、要興業10.9倍、エンビプロ10.3倍と似通った水準、増額修正が期待されるTRE17.7倍に対し割安となっている。現状、増額修正から最高益更新が期待され、配当も記念配5円をなくし25.0円としているものは最高益更新で30円継続が可能と判断、ニュートラルからややポジティブに変更する。但し、事業展開の潜在的な成長性が期待されるものの、具体的な事業展望がアナウンスされておらず、割高感はないもののややポジティブにとどまるとみられる。
*要興業(6566)、エンビプロ(5698)、TRE(9247)と比較
(H.Mirai)
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