9月の世界経済「米国は小幅利下げ、銅相場は下値堅いか」エモリファンド・江守哲氏
9月の世界のマクロ経済は下値の堅い展開になりそうだ。市場は月内に実施の可能性が高い米利下げと2か月後に迫った米大統領選に向かい、身構えるムードが強い。エモリファンドマネジメント株式会社の江守哲・代表取締役兼最高経営責任者(CEO)に見通しを聞いた。
■9月の米利下げ幅は0.25%程度か
米利下げについて江守氏は「まあ、0.25%程度」と小幅にとどまるとの見解を示した。市場では、8月下旬の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受け、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動くとの観測を織り込んでいる。ただ、9月初めまでに発表の米経済指標が消費の底堅さを示す内容だっただけに、大幅利下げへの観測は後退している。江守氏は「インフレも食品を中心に落ち着いており、利下げで景気を刺激する必要性は小さくなっている」と述べた。
一方、中国経済は依然として不透明感が強い。中国の8月の製造業景況感指数は国家統計局による政府指標が49.1、メディアの財新/S&Pグローバルによる民間指標は50.4と食い違いを見せた。政府系は国有大企業、民間指標は民間中小企業が中心と統計の軸がやや異なるため中小企業の景況感は改善しているともとれるが、江守氏は「中国政府は5月に不動産支援策を打ち出したが、そんなに効果を上げていない」と話した。金属需要にまで改善が波及するかというとやや心もとない。
中国の官民PMIの推移
(出所:中国国家統計局、財新の各ホームページ)
■商品動き少なく、ドル円は140-147円程度と予想
こうした状況から、江守氏は商品相場について「原油などを含め、9月中に大きく動く要素は乏しい」とみる。経済が大きく混乱する要素は少ないため金属相場も安定しそうだが、中国経済の低迷で需要不足は続き、盛り上がる要素も見えにくい。
過去1年間のNY原油と動相場の推移
為替動向も激しく動く可能性は低そうだ。江守氏の9月のドル円相場予想は「1ドル=140-147円程度」(江守氏)。米利下げ幅が小幅にとどまれば高金利の米ドルに投資資金が流れ込む状況は続くが、米政策への様子見気分もありその程度も限られるだろう。円は150円を超えて下落する可能性が低い一方、130円を超えて上昇する理由も乏しい。
過去1年間のドル円相場の推移(JPY/$)
秋の世界経済は米大統領選という一大イベントを控え政策が左右する色合いを強める。ちなみに、日本の自民党総裁選は影響するか?との問いには、江守氏は「全く関係ありませんね」と笑った。
エモリファンドホームページ: エモリファンドマネジメント株式会社 (emorifundmanagement.com)
関連記事:銅金レシオだけでは語れない景気動向に――江守氏に銅と金相場のいまを聞く | MIRU (iru-miru.com)
(IR Universe Kure)
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