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第10回バッテリーサミット報告①循環経済協会・中村氏「EV電池リサイクルの福岡モデル」

 IR Universeは9月12日、学士会館(東京都千代田区)で「第10回バッテリーサミット」を開催した。13時からコーヒーブレイクやネットワーキングなどを挟んで19自30分まで、会場はほぼ満席の盛況だった。報告の第1回では、循環経済協会の中村崇理事長の講演をまず紹介したい。

 

関連記事:第10回バッテリーサミット 強力に盛り上がる! | MIRU (iru-miru.com)

 

 当日は総合司会をJFEケミカルの長山勝博氏、ソフトバンクの斉藤真也氏、サスティナビリティ技術設計機構の原田幸明氏の3人が担った。いずれも軽妙かつ的確なリードで、観客の興味を引き起こしていた。

(左から長山さん、斎藤さん、原田さん)

 

 

■自動車工場集積地で認識高まるEVリサイクルシステム構築への必要性

 

熱演する循環経済協会・中村崇理事長

 

 トップバッターの循環経済協会・中村理事長は、福岡県で2024年7月に設立の「グリーン電気自動車(EV)バッテリー資源循環協議会」について紹介した。

 福岡県はかねてトヨタをはじめとする自動車工場の集積地だが、これらは続々とEV工場に切り替わりつつある。将来的にEVの国内シェアが現在の4%程度から30%程度まで拡大した場合、年間100万台規模のEV廃車の産出も想定される。このため早急なEVバッテリーの回収システムの構築が必要との認識が官民ともに強まり、同協会の設立に至った。経済産業省と環境省がオブザーバーとして参加し、自動車メーカーやバッテリーメーカー、リサイクラーなど20社以上が加盟する。

 

 

 

 中村氏によれば、米欧中など世界でEVの普及に伴いバッテリーリサイクルへの試みは進むが、まだ緒についたばかりで、各国とも商業システムとして軌道に乗ったとは言えない。

  中でも中国はEV普及の普及で先行するだけにリサイクル分野でも進んでいるが、データが非公開な部分も多く、どこまで厳密にリサイクル・リユースがシステムとして構築されているかは、実態がつかみにくい。北米はバイデン米政権がバッテリーサプライチェーン(供給網)構築に向け31億ドル(約4400億円) の助成を発表しており、カナダを含め中堅規模のリサイクル企業も出てきているが、現時点では収支が均衡していない。欧州連合(EU)は良く知られているように、EVの製品パスポートの導入を予定する。素材についても、例えばリチウムのリサイクル率目標を2025年までに50%、2030年までに80%としているが、法整備段階にとどまる。

 中村氏は、「日本は現時点ではEVの自動車全体に占めるシェアは小さいのだが」と前置きしたうえで、「例えばEUのバッテリーパスポートが導入されれば、少なくとも日本国内の現状では対応できない」と指摘。「足元では、中古バッテリーから抽出した原材料を用いてバッテリーを再生産し、EVに搭載する工程で課題がある」とも話した。

 

 喫緊の話題だけに観客の関心は高く、質問は盛り上がった。中国の現状などに対する質問もあった。

 

演者紹介:第10回BatterySummit 講演者紹介 一般財団法人 循環経済協会 理事長 中村 崇氏 | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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