エマルションフローと第一稀元素化学 EV電池リサイクルでMoU締結
レアメタル資源循環促進に向けたオープンイノベーションへ。原子力機構発スタートアップ、エマルションフローテクノロジーズとジルコニウム化合物メーカー、第一稀元素化学工業が基本合意契約(MoU)締結
株式会社エマルションフローテクノロジーズ(本社:茨城県東海村、代表取締役:鈴木裕士、以下「EFT」)は、10月4日、ジルコニウム化合物メーカーである第一稀元素化学工業株式会社(本社:大阪府中央区、代表取締役社長:國部洋、以下「DKK」)との基本合意契約を締結したと発表した。EFTによる原子力研究から生まれた革新的なレアメタルリサイクル技術とDKKの長年にわたるジルコニウム化合物の精錬技術に関する経験と知見を融合させ、地球規模のレアメタル問題に取り組む。
【契約の概要】
レアメタルは、電気自動車、スマートフォン、再生可能エネルギーシステムなど、現代社会において欠かせない技術の基盤を支えているが、これらの貴重な資源は限られており、採掘や加工に伴う環境負荷が深刻な社会問題となっている。このパートナーシップ締結により、将来的には都市鉱山の活用を見据え、これまで廃棄されてきた原材料端材や産業廃棄物からレアメタルを効率的に回収・再利用する技術を強化し、資源循環型社会の実現を目指しす。
EFTは、原子力機構が開発した革新的な溶媒抽出技術「エマルションフロー」を活用した事業を展開するスタートアップ企業であり、2021年4月5日に設立された。エマルションフローは、従来の溶媒抽出技術と比較して、低コストで高効率に高純度な元素分離を可能にする革新的な技術であり、レアメタルを取り巻く社会課題の解決に寄与できると期待されている。特に、電気自動車からの退役リチウムイオン電池(LIB)などに含まれるコバルトやニッケル、リチウムといったレアメタルを低コストかつ低環境負荷で高純度に回収する技術を確立し、回収したレアメタルをハイテク産業に直接再利用する「水平リサイクル」の事業化を実現する。
DKKは、ジルコニウム化合物の多様な特性を引き出す精製・加工技術と豊富な知見を有しており、新しい時代のテクノロジーや新素材を生み出す原動力となっている。DKKが展開する製品は、半導体、EV用二次電池、生体材料など、将来にわたって著しい成長が期待される分野において、社会課題を解決する素材として活用されている。
同パートナーシップにより、持続可能な材料開発がさらに進化し、世界中の産業や生活において環境負荷を軽減しながら高性能を実現するソリューションを提供する。
EFTとDKKは、この取り組みにより、レアメタル供給問題の解決にまい進するとともに、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩とし、共に持つ技術と経験を結集し、次世代の資源活用モデルを確立することを目指す。
(IR universe rr)
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