磁石スタートアップの米ナイロン・マグネティクス(Niron Magnetics)が米ミネソタ州ミネアポリスに、レアアース(希土類)フリー磁石の工場を開業した。ビジネスワイヤなど複数の外電が10月11日に伝えた。レアアースフリー磁石の工場は世界初。
報道によれば、同工場の磁石年産能力は5トン。工場敷地面積は7万平方フィート(約6500平方メートル)、地域雇用は60人。規模は小さいが、同社は「米国の国家安全保障に不可欠な高性能磁石について、信頼性の高い国内供給を確立するための大きな一歩を踏み出せた。また、次世代のクリーンエネルギー技術と持続可能な製造を開始することができた」と自負した。
ナイロンが開発するレアアースフリー磁石は鉄と窒素を主成分とする。現在、永久磁石は一般にネオジムなどのレアアースを使用し、世界シェアの9割を中国が生産する。ただ、中国産の偏重は米国をはじめとする西側世界に国家安全保障リスクへの懸念を強め、生産過程についても環境汚染や劣悪な採掘環境などの「持続不可能」性が指摘されてきた。
ナイロンはレアアースフリー磁石の開発に長年取り組む。2024年には米経済誌TIMEの「米トップグリーンテック企業」の1つに選出された。
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(IR Universe Kure)