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パネル処理の費用負担責任に議論集中―太陽光発電設備リサイクル制度小委員会

 経済産業省と環境省は15日、太陽光発電設備のリサイクル制度創設に向けた小委員会の合同会議(第3回)を開催した。特に、リサイクルに必要となる費用の仕組みの構築について議論が集中した。

 

 前回までの議論では、太陽光パネルを再資源化するまでの費用を「解体等費用」と「再資源化費用」に分け負担の在り方を検討していくことでおおむね合意した。また、今回の会議における省庁担当者からの中間報告では、設備管理の責任の観点から解体等費用の負担者は「設備の所有者」(事業者)が適当だとする提案があり、多くの委員がそれに賛同した。なお、再エネ特措法に基づく廃棄等費用積立制度においても、太陽光発電設備の解体等費用を設備の所有者が負担することを前提とし、FIT・FIP認定事業者に対して、廃棄等費用の積立義務を課している。

 

 解体等費用をいつ支払うかについてはこれまでの会議で複数の意見が上がっていたが、事業規模や資金力などを踏まえた選択制に落ち着くとみられる。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)で環境委員会副委員長を務める青木裕佳子委員は、確実に必要経費を回収するため、「基本的には事業開始時に(事業者)が全納することが望ましい」主張しつつも、場合によっては、事業期間中の分割積立てや撤去時の一括支払いを認めるべきと意見を述べた。

 

 経産省担当者は、十分な費用が確保されないまま設備廃棄に至った場合、放置が誘発される危険性があると強調したうえで、「どういった条件で例外的な措置を認めるかを検討し、今後の会議で報告したい」と伝えた。

 

 政府は2018年4月にFIT認定の際の事業計画策定ガイドラインを改正。事業用太陽光発電設備(10kW以上)について廃棄等費用の積立てを遵守事項とするとともに、事業計画策定時に処分費用やその積立額を記載することを求めた。また、同年7月から定期報告において積立ての進捗状況の報告を義務化した。しかし、19年1月末時点での定期報告では「積立していない」と報告した発電事業者が8割を超え、原則として源泉徴収的な外部積立てを求める「再エネ特措法廃棄等費用積立制度」を創設する顛末となった。今回のリサイクル制度創設においては、事業者負担を考慮したうえでの持続可能なルール作りが求められているといえる。

 

定期報告における積立進捗状況(2019年1月末時点、資源エネルギー庁作成の会議資料より引用)

 

 

 一方、「再資源化費用」においては、拡大生産者責任の考え方をもとに、「製造業者」が負担すべきという意見が複数の議員から上がっていた。ただし、製造業者の負担増により、太陽光パネルの新品価格の下落がさらに進み、製品の品質低下につながることを懸念する意見もあった。同時に技術開発への投資抑制につながるリスクも指摘された。

 

 この合同会議は今後も月1~2回のペースで開催され、今年の冬頃に取りまとめを行う予定。制度の対象範囲については、▽新たな制度における再資源化義務の対象を太陽光パネルに限定する▽プラスチック(EVA)やシリコンはリサイクルだけでなく熱回収も含めて義務化を検討する――などの案が支持されている。

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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