日本製鉄とJFE、サステナブルをPR―高機能素材Week東京

大手鉄鋼メーカーの日本製鉄とJFEグループは29~31日にかけて幕張メッセ(千葉市)で開催中の展示会「第15回高機能素材Week」にブース出展している。同展示会は8つの専門展から構成される複合展示会だが、両者ともに「高機能金属展」ではなく、「サステナブルマテリアル展」(SUSMA)に参加。環境に配慮した製品やサービスをPRした。
日本製鉄は「持続可能な未来への挑戦」をテーマの下、「NSCarbolex®」ブランドをはじめとした、顧客の製造工程や製品使用時の脱炭素化に貢献する多彩な高機能鋼材・ソリューション技術を出展した。
「NSCarbolex®」は、社会全体のCO2排出量削減に貢献する日本製鉄Gの製品・ソリューション技術の総称であり、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出削減量をマスバランス方式で割り当てたグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」と、社会におけるCO2排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術「NSCarbolex Solution」から構成される。
「FeLuce®(フェルーチェ)」を原料としたランプシェード
例えば、「NSCarbolex Solution」の一つである意匠性鋼鈑「FeLuce®(フェルーチェ)」は、鋼鈑の機能性向上のために採用されるめっき層に直接ヘアライン加工を施し、金属本来の風合いを実現したもの。耐食性や耐指紋性などの機能面と外観の美しさを備えているため、外注塗装などの後工程の省略が可能で、CO2排出量の削減に貢献する。ブースではフェルーチェを原料としたランプシェードなどを展示し、その優れた機能美を訴求した。
JFEグループはJFEスチールをはじめとしたグループ各社の先進的なサステナブル材料や製造技術やサービスなど約20項目を「環境インフラ」「電池」「モータ・パワーエレクトロニクス」「次世代自動車」の4つのカテゴリーに分けて紹介した。木+鉄混合構造「アーキテツト®」シリーズのほか、脱炭素社会の実現に貢献するグリーン鋼材「JGreeX®」などをパネル展示した。
「JGreeX®」は日鉄の「NSCarbolex Neutral」同様に、CO2排出削減量をマスバランス方式で割り当てたサステナブル材料で幅広い産業で活用されている。9月末には、「JGreeX®」を全量使用したドライバルク船1船目(檜垣造船)の就航を発表している。
JFEブースは会場端の動線が悪い立地でありながら多くの来場者で賑わった。また、JFEグループからは、「高機能プラスチック展」にJFEケミカル、JFEテクノリサーチもそれぞれ出展し、芳香族化合物を用いた機能性樹脂原料などを紹介した。
「高機能金属展」にも大同特殊鋼やレアメタル専門商社の矢野金属らが出展し、各所で商談が行われていた。耐水素環境用材料(大同特殊鋼)など、SUSMA同様に環境配慮型社会に対応した出品が多くみられた。
(IRuniverse K.Kuribara)
関連記事
- 2025/05/01 鉄鋼需給(25年3月)
- 2025/05/01 輸出鋼材のスプレッド(25年3月):スプレッドまちまち
- 2025/05/01 日中ホットコイル輸出価格比較(25年3月):価格差縮小
- 2025/05/01 日本製鉄:AM/NS CalvertとAM/NS Indiaの25/12期1Q業績を発表
- 2025/05/01 元鉄鋼マンのつぶやき#102 受け皿としての大学、旗振り役としての大学
- 2025/04/30 共英製鋼:25/3期の決算説明会を開催(26/3期業績予想)
- 2025/04/30 共英製鋼:25/3期の決算説明会を開催(25/3期実績)
- 2025/04/30 欧州からの風:2025 April「EU使用済自動車規則案:揉めるプラスチック再生材含有ターゲットの行方は?」
- 2025/04/30 大和工業:25/3期は減収減益となったが、26/3期は減収経常増益へ
- 2025/04/30 中国鉄鋼PMI:4月は鉄鋼は3ヵ月連続上昇、新規受注は2ヵ月連続上昇