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中国、ガリウム密輸出業者を逮捕 外国スパイに警戒、日本企業も注意

 中国当局が、ガリウムを密輸出しようとした国内業者を逮捕したもようだ。中国は2023年8月から米国など西側諸国による半導体規制の対抗措置としてガリウムとゲルマニウムを輸出規制してきたが、措置により事業に打撃を受けるのは国内企業も同じ。むしろ代替品の開拓を進める海外企業以上に影響が出ている可能性も高い。

 

■ガリウムボトルを手荷物で機内へ

 11月4日の中国網など複数の地元メディアが中国国家安全省の発表として伝えた。報道によると、同省が開設する通報サイトにガリウムを密輸出しているとの通報があり調べたところ、外国籍の人物がガリウムのボトルを手荷物で国際便の飛行機に持ち込もうとしていたところを取り押さえた。

 この人物はボトルを国内の金属材料企業の従業員から委託されたとしており、中身がガリウムだと知らないまま海外の人物に手渡すよう指示されたという。関係者や企業は、既に法的措置の対象となっているとも伝わった。

 

■価格高止まりも動きは落ち着き

 中国は2023年のガリウムを皮切りに、黒鉛(グラファイト)やレアアース加工技術、アンチモンなど資源関連の武器化を進める。

 このうち、ガリウムについては輸出を全面的に禁止しているわけではなく、欧州向けなどにはスローペースながらも輸出認可も出している。ただ、用途や輸出先を明瞭にするなど審査は厳しく、取引先に当たる海外企業や中国の輸出業者にとっても負担は増した。

 

 中国産の供給が絞られる中、ガリウム価格は高止まりしている。ただ、2024年に入ってからは、動き自体は落ち着いている。足元は9月半ばから高値$550/kgで横ばい。夏に付けた直近高値も高値$600ちょうどと、中国の規制が持ち上がる前の2022年の高値($620)には届かなかった。

 

過去3年間のガリウム価格の推移(EU Spot market)($/kg)

 

 海外の業者は欧州輸出分の中国産ガリウムを買うほか、米国などは新たにガリウム鉱山の開発を進めるなど代替手段の模索を続け、供給減の長期化に向けて体制を整えつつある。一方、中国国内の金属材料企業や輸出業者などは代替手段は相対的に乏しく、ガリウム貿易から撤退するか否かの決断まで迫られがちだ。

 

■日本企業は犯罪に巻き込まれない注意を

 香港大衆紙の東方日報(電子版)の11月6日の報道によると、国家安全省は11月5日、「近年、外国のスパイ機関や諜報機関が中国のデータ分野への浸透を増やし続けており、彼らのコアデータを盗み、国家安全保障を危険にさらそうとする無駄な試みをしている」との文章を発表し、中国国民に対し海外スパイへの注意を呼び掛けた。

 困窮する中国業者が犯罪行為をしてしまう可能性も、当局による取り締まりも強まっている。日本企業などの関係者は、こうした事態に巻き込まれない注意が、これまでにも増して必要になっている。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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