株式会社ゴトウ 後藤守宏会長を偲ぶ
関東地区のステンレススクラップの始祖であり代表的な存在であった株式会社ゴトウの後藤守宏会長が1日に逝去された。享年89歳。
すでに親類で葬儀は行われており、来年1月下旬にお別れの会を開催する予定とのこと。
筆者(棚町)にとって後藤守宏氏は私がステンレススクラップの取材をはじめた当初(2000年~)からいろいろと教えていただいた思い出がある。
時にステンレスメーカーに喝を入れ、業界にも喝を入れ、輸出業者にも躊躇なく批判を行っていた。私の印象としては業界のゴッドファーザーというべきな存在で
当初は常に守弘氏にご意見を聞いたものだった。まさに業界のご意見番として、後藤社長(当時)と太陽金属の坂本久蔵会長(故人)によく話を聞いていたことを昨日のように鮮明に思い出すことができる。
2000年は丁度、新日鉄(当時)とELGが主体となってたちあがったブレンドスクラップの加工処理会社としてJSPがスタートした年で、後藤社長、坂本会長もJSPのメンバーであったことから半ば毎日のように電話していたこともあった。当初、後藤さんはこのブレンドに対しても懐疑的であった。純粋なステンレススクラップこそが価値があると説いていた。
そうした背景もあったことでゴトウ、太陽金属の両社のヤードにも足しげく通って、ステンレススクラップおよび市場のことを肌感で学ばせてもらった。私にとっては教師のようでもあった。
しかし、坂本会長もすでに鬼籍に入っており、そして100歳まで生きる(と私が勝手に信じていた)と思われた壮健な後藤守弘宏氏も亡くなられ、昭和の語り部はもういない。まだいろいろと聞きたい話はあったので至極残念無念である。
近年は私自身も後藤守宏会長にお会いする機会はなかったのだが、実は10月29日に久々にゴトウ社を訪れる機会があったのだが、もしかすると会長が私を呼んでくれたのかもしれない、とこれまた勝手ながら思ふ11月8日である。合掌。厦門にて。
(IRUNIVERSE TANAMACHI)
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