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欧州、バッテリーリサイクルの理想と現実 財政難で計画の半数が危うく 会議で報告書

 12月11日のロイター通信によると、欧州ではバッテリーリサイクルについて、「域内での十分なリサイクルは、高コストにより難しい」との報告書が上がったという。欧州は電気自動車(EV)のバッテリーにコバルトやリチウムのリサイクル品を使うよう奨励するなど再利用の目標を掲げるが、現実は厳しいようだ。

 

■エネルギーコストや人材不足で実現できず

 

 

 報道によると、欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会が12月9日-13日に開催している「Raw Materials week 2024」と題する原材料の大型国際会議の中で報告があった。EUと英国では現在、30以上のリサイクルプロジェクトが発表済みだが、エネルギーコストの高騰や専門人材不足、財政難などにより、ほぼ半数の実現が危ぶまれているという。

 

 2023年にEUが決めたバッテリー規制では、2031年8月から産業用バッテリーのリサイクルリチウムとニッケルの最低シェアをそれぞれ6%、コバルトを16%にすることを義務付けた。もしすべてのプロジェクトが順調に進めば目標は達成可能だが、現状のままではEUと英国のバッテリーリサイクル能力は2030年に必要とされるものの約10分の1にとどまる見通しという。

 

関連記事:欧州からの風July 2023: EU電池規則成立 | MIRU

 

■スクラップ、最終的には中国に流出か

 

 バッテリーリサイクルに対する関心は高く、弊社のバッテリーサミットでも常に議題に上がる。

 

関連記事:2025年2月18日(火) 第11回BatterySummit in TOKYO | MIRU

関連記事:第10回BatterySummit in Tokyo(20240912)アーカイブ | MIRU

 

 一般に、バッテリーそのままで再利用できればコストも安くつくが、分解して中の物質を取り出し、また組みなおすといった工程が多くなればコストもかかる。各国はリサイクル技術については研究を進め、米国も助成金を出し、カナダにも大手企業がある。しかし、高度な技術になれるほどコストはかさむため、第10回バッテリーサミットで循環経済協会の中村崇理事長が指摘したとおり、「各国とも商業システムとして軌道に乗ったとは言えない」のが現状だ。

 前出の「Raw Materials week 2024」では講演者の1人が報告書を受けて、もしEU内でのプロジェクトがとん挫すれば、バッテリースクラップは中国に流出し、完成車として欧州に戻ってきてしまうだろうと指摘。中国依存を減らしたいEUの方針にも反すると述べたという。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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