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京三製作所(6742)25/3上期WEB取材メモ ややポジティブ継続

25/3期19.1%増収、営利2.3倍予想で営利最高益期待、26/3期も連続最高益更新期待

株価円(12/20)505円   時価総額317億円    発行済株62844千株

PER(DO25/3期予7.0X) PBR(0.68X) 配当(25/3予)20円  配当利回り:4.0%

 

要約

・25/3H1は9.5%増収、共通費控除前営業利益黒字転換、受注はPE事業上振れ

・25/3期信号事業拡大と半導体向け回復で19.1%増収、営利2.3倍予想変更せず営利最高益へ

・26/3期以降もインド等の信号システム需要の拡大、半導体関連電源拡大で収益拡大期待

 

25/3H19.5%増収、共通費控除前営業利益黒字転換、受注はPE事業上振れ

 

 25/3HIは11/13に発表されたが説明会は11/26、改めてWEB取材を行った。25/3H1は売上高261.86億円(期初計画比28.14億円未達、9.5%増)、全社費用控除前営業利益8.78億円(前年同期比15.09億円改善し黒字転換)、営業損失14.12億円(期初計画比6.12億円未達、同15.08億円赤字縮小)と、共通費控除前営業利益で黒字転換したものの、期初計画に対し未達に終わった。受注については430.53億円(同期比15.1%増)と好調に推移した。また受注残高は1262.73億円(1.9%増)と膨れ上がった状況が続いている。

 

 部門別では信号システム事業が売上高203.57億円(期初計画比26.43億円未達、1.6%増)、営業利益5.17億円(59.5%増)となった。部材不足が緩和し受注済の案件の消化が進み、利益面では増収効、で操業度が向上、価格是正効果もあり大幅増に。受注高も341.42億円(計画比18.58億円未達、4.7%増)と多少未達ながら、民鉄150.52億円(42.3%増)などホームドアやATC車上システムが好調に推移した。現状、受注残高が1171.10億円(2.6%増)と1000億円を超え積み上がった状況が続いている。

 

 パワーエレクトロニクス事業は売上高58.28億円(期初計画比1.72億円未達、50.6%増)、営業利益3.60億円(同13.15億円改善し黒字転換)、受注高89.10億円(同17.10億円上振れ、89.5%増)、受注残高91.63億円(同61.3%増)に。売上面ではFPD向けで前倒し発注があり売上高が15.62億円(同53.3%増)、半導体向けは40.69億円(同50.4%増)で東京エレクトロン宮城(主にエッチング装置向け)向けDC電源、一部RF電源が何れも急回復した。受注面ではFPDが45.87億円(4.3倍)と前倒し発注があり、半導体向けは41.03億円(19.9%増)で東京エレクトロンのエッチング装置向けが中国向けなど堅調で回復した。利益面では増収効果で黒字転換。

 

 全体として、営業利益の増減要因では売上増効果2.6億円、価格改定などの取組等が実り原価率改善効果15.3億円などで改善が進んでいる。

 

25/3期信号事業拡大と半導体向け回復で19.1%増収、営利2.3倍予想変更せず営利最高益へ

 

 25/3期予想に変更はなく、売上高840億円(19.1%増)、営業利益57億円(2.3倍)、経常利益60億円(84.1%増)、税引利益44億円(28.1%増)、受注高770億円(4.6%増)予想を据え置いた。「中期経営計画2025」で25/3期に売上高850億円、営利60億円を掲げたが、同計画に対して売上高で10億円、営業利益で3億円、受注高で80億円未達予想も、営利で18/3期の50.71億円を抜いて営利最高益更新予想となっている。

 

 

 部門別でも変更はなく、信号システム事業が売上高680億円(12.6%増)、営利95.46億円(28.7%増)、受注高600億円(3.5%減)予想。受注は国内堅調、海外もインド向け電子連動装置が継続的に受注を獲得、豊富な受注残高の消化を進めることを優先し、採算も勘案して減少見通しとしている模様。売上では豊富な受注残高を抱えており、前期の納期ずれも寄与、計画に沿い2ケタ売上増が見込まれる。

 

 パワーエレクトロニクス事業は売上高160億円(57.6%増)、営利20.07億円(前期比22.92億円増加し黒字転換予想)、受注は170億円(48.1%増)を見込むが、既に受注が上振れ、売上面でも半導体製造装置向けが下期も急回復が続こう。同社の半導体装置向けは大半が東京エレクトロン宮城で占められるが、東京エレクトロンの好調もあり、RF電源を収めるダイヘンも大幅受注増となっており、25/3期会社予想に対し増額修正が期待される。

 

 全体の営業利益57億円(32億円増加)の要因分析も変更しておらず、増収効果27億円、リードタイム短縮や部品の標準化など原価率改善23億円のプラス効果に対し、売上増に伴う営業費用増、研究開発費増、その他経費抑制も販管費増18億円のマイナス効果を見ている。しかし25/3H1で原価率改善効果が15.3億円となっており、電源部門の上振れを含め、会社予想を上回る収益が期待される。

 

26/3期以降もインド等の信号システム需要の拡大、半導体関連電源拡大で収益拡大期待

 

 26/3期以降については、信号システムについて豊富な受注残高の消化が進むほか、インド等の海外案件の拡大(インド鉄道省 RDSO から日系信号メーカーとして初めて 型式認証を受けた信号システムであるK5BMC型電子連動装置がインド、ネパール、バングラディシュ合計で7月に1000駅を突破、年間200駅を刊行しており、今後も同様のペースで設置が進もう。また欧州において、ポーランドで電子連動装置のパイロットプロジェクト契約を締結。今後、ポーランド鉄道運輸局の認証を目指し、欧州でも事業展開を図る。(出所:会社ニュースリリースより抜粋)

 

 国内も引き続きホームドアの設置が続こう。同社は現在、関西地区で売上を伸ばしているが、今回、JR東海で初の受注を獲得した。中京地区はホームドアの設置が遅れており、新たな市場として期待が持てる。加えてローカル鉄道路線の自動運転走行などニーズが高まろう。具体的には南海電鉄和歌山港線において自動運転走行試験を実施している。南海電鉄の「自動列車停止装置(ATS-PN)」と、京三製作所と共同開発した「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」を組み合わせた自動運転システムの安全性を確認する走行試験を継続している。また自動運転は茨城県境町で自動運転バスの実証実験に参画、24年4月には「川崎市自動運転実装推進協議会」にも参画、さらに12月には国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」に採択された平塚市の実証実験に参画し、自動運転バス「レベル 4」運行の実現に向けた信号連携を担当する。このようにモビリティ変革に対応した先端技術の研究、開発を行う。その他地域でも同様の試みを行っており、今後MaaS対応などへも事業拡大が期待される。(出所:会社ニュースリリースより)

 

 パワーエレクトロ事業は、半導体の生産拡大に伴い、東京エレクトロンエッチング装置向けのDC電源とRF電源の納入シェア拡大が見込まれる。さらに懸案であった米国エッチング装置大手へのRF電源の納入が26/3期より本格拡大が見込まれる。同事業も半導体製造装置向け中心に収益上伸、収益性も高まることが期待され、26/3期も収益拡大から連続営利、経常利益最高益更新が期待される。

 

 株価は25/3期会社予想EPS70.16円に対しPER9.2倍はプライム電機平均PER22.9倍に対し、営利最高益更新予想企業ながら割安感がある。また日本信号9.8倍に対してほぼ同等、半導体RF電源国内最大手のダイヘン15.3倍、2位のアドテックプラズマ7.9倍と比較若干割高な水準にある。現状、同社は信号事業の性格上、上期までは営業赤字となる業態で有り、当面は追加の好材料が出にくい局面にある。しかし営業利益最高益更新期待と今下期からの半導体製造装置向け需要急回復、さらにはインド関連銘柄でもあることを勘案、PBR0.68でもあり、従来のややポジティブを継続する。

 


 

(H.Mirai)

 

 

 

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