週刊バッテリートピックス 「米が中国CATLを軍事企業指定」「CESなど米大型見本市」など
2025年1月6日~1月13日のバッテリー業界では、米国による中国の寧徳時代新能源科技(CATL)の軍事企業指定が衝撃的なニュースだった。CATLは電気自動車(EV)向け車載電池の世界最大手で、今後多方面に影響が出かねない。そんな米国では大型見本市が相次ぎ、日本勢も多く出展。丸紅が英リサイクル企業に出資するなど企業活動は活発だった。
●ローソンも水素トラックを北九州で導入
ローソンは1月9日、自社ホームページ上で、「水素を燃料とした燃料電池(FC)トラックを、1月15日から福岡市の配送センターに導入する」と発表した。九州でコンビニチェーンが小型FCトラックを配備するのは初めて。
いすゞ自動車の小型トラックにトヨタの燃料電池を搭載した車両で、おにぎりなどのデイリー商品を配送する。環境省と福岡県の補助を受けて実現した。
プレスリリース:<福岡県>水素を燃料とした「燃料電池小型トラック」<br>九州エリアではコンビニチェーン初導入|ローソン公式サイト
●パナエナジー、米新興EVに電池搭載 電池から肥料へのリサイクルプロセスも開発
パナソニックエナジーは1月7日、自社ホームページ上で、米EV新興のルシッド・グループの新車種に自社のEV用電池が搭載されたと発表した。
なお、パナエナジーは、12月20日には、東洋製缶子会社と共同で、使用済み乾電池からマンガンなどを抽出して肥料に還元するリサイクルプロセスを確立したと発表していた。
●丸紅、LiBリサイクルの英社に出資
丸紅は1月7日、自社ホームページ上で、英リチウムイオンバッテリー(LiB)リサイクルのアルティリウム・メタルズ(Altilium Metals Ltd)に一部出資すると発表した。出資比率は未公表。出資額は500万ドルで、第三者割当増資を引き受けた。
関連記事:丸紅 LIBリサイクルの英国Altilium Metals社へ出資 | MIRU
●経産省の伊吹氏が年頭所感
経済産業省の伊吹製造産業局長が1月1日に年頭所感を公表した。
関連記事:経済産業省 伊吹製造産業局局長 年頭所感を公表 | MIRU
<海外>
●米デトロイトモーターショー開催
米国の伝統的モーターショーである「デトロイトモーターショー」が1月10日-20日、米中西部ミシガン州デトロイトで開催されている。新型コロナ禍の影響で9月開催が続いていたが、6年ぶりに1月の開催となった。30超のブランドが出展している。
ホームページ:Detroit Auto Show
●米CES開催、4500社が出展
世界最大規模のテクノロジー見本市である「CES」が、米ラスベガスで1月7日-10日に開催された。4500超の企業・機関が出展し、延べ14万人が訪れた。日本勢もパナソニック・ホールディングス(HD)や京セラ、コマツ、村田製作所など多数が出展した。来年度のCESは2026年1月6日-9日に同じくラスベガスで開催の予定。
ホームページ: CES - The Most Powerful Tech Event in the World
●スイスの研究者、「キノコで発電する電池」開発
スイス連邦材料科学技術研究所(Empa)は1月9日、ホームページ上で、「スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した」と発表した。微生物燃料電池と呼ばれるもので、発電量は小さいものの、農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
プレスリリース:Empa - Communication - Fungal biobattery
●米、CATLやテンセントを「中国軍事企業」に指定
米国防総省は1月7日、車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)などの中国企業について、中国軍と関連がある「中国軍事企業」に指定した。中国ゲーム大手でSNSの「微信(ウィーチャット)」を手掛けるテンセント・ホールディングスもリスト入りした。
(IR Universe Kure)
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