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チタン原料市場市況2025年1月 さえない、二酸化チタン一段安で慎重ムード

 2025年1月のチタン原料市場は総じてさえない動きとなっている。欧米の新年と中国の春節(旧正月)のはざまの時期に当たり、新規の取引が減っている。中国景気の回復に兆しが見えず、川下需要の低迷懸念から需要の6割を占める二酸化チタンが一段安となった。精鉱を含めて先行きの需要に慎重な見方が漂う年明けとなった。

 

■二酸化チタン4年ぶり、精鉱は3年10か月ぶり安値

二酸化チタン

 

過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

 

 全体の6割を占める塗料向けの二酸化チタン価格は1月9日に仲値$2030/tonと、2020年10月以来およそ4年2ヵ月ぶりの安値を付けた。FerroAlloyNetは1月10日の週刊レポートで二酸化チタン企業の動向について、「クリスマス休暇前の注文の処理のみ行っている企業が多く、ほかは春節後を見据えて様子見を決め込んでいる」」と指摘した。上海有色網(SMM)も1月5日付のレポートで「一部の中国企業が供給ひっ迫に着目して製品価格を引き上げたが、追随する企業はほとんどなかった」と伝えた。

 

チタン精鉱

 

過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

 

 二酸化チタンの下落は精鉱価格にも波及した。チタン鉱石は1月9日に仲値$369.5/tonと2021年3月以来の安値を付けた。2024年9月下旬から10月初旬までを直近高値に、その後は段階的な値下がりが続く。

 

過去3か月間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)($/ton)

 

 ルチルは2024年11月初旬の$1125/tonから値動きなし。中長期では2019年5月以来の安値圏にある。

 

■スポンジチタンは小反発

スポンジチタン

 

過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

 

 一方、合金向けスポンジチタンは底堅さを見せた。中国の一般産業向けは1月9日に仲値$6.399/kgに上げ、2024年10月初旬以来の高値に戻した。11月に大きく下げた後だけに自律反発したとみられる。しかし、価格水準は統計が取れる過去20年間で最安値圏にあり、需要も低迷したままだ。上海有色網(SMM)は1月7日のレポートで「スポンジチタン価格の一時的な反発を受けてメーカーには取引先からの問い合わせが増えたが、それも春節の接近とともに落ち着き、実際の注目までは結びついていない」と指摘した。

 

 航空機向けスポンジチタンは2023年1月から横ばい。

 

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

 

■四塩化チタンとフェロチタンは横ばい

 他の形状は動きが乏しい。四塩化チタンとフェロチタンは2024年12月中旬から横ばい。

 

過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

 

 チタンスラグはやや取引が活発化した。FerroAlloyNetによると電極や石油コークスなどの原材料の価格上昇の波がチタンスラグにも波及している。ただ、生産側の稼働率は高くないという。

 

<Topics>

1月9日

 

 

  欧州連合(EU)は1月9日、ホームページ上で、「中国産二酸化チタンに対する反ダンピング(不当廉売)課税を決定した」と発表した。11.4%-32.3%のダンピングマージンを課す。EU内の二酸化チタン産業に対する損害を防ぐため。

 

プレスリリース:EU acts to counter dumping of titanium dioxide from China - European Commission

 

 2024年のチタン動向についてmiruでも各種の切り口からのまとめ・分析を行っている。参照されたい。

 

関連記事:チタン:スポンジチタンの輸出価格について、各統計より分析 | MIRU

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(IR Universe Kure)

 

 

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