キャノン プリンティング製品に鉄スクラップ原料の再生鉄材料採用開始
使用済み複合機から分別した鉄材料を鉄鋼メーカーへ供給し資源循環を促進
キヤノンは1月17日、オフィス向け複合機、家庭用インクジェットプリンター、大判インクジェットプリンター、商業印刷機などのプリンティング製品において、2025年に発売する新製品の一部より、再生鉄(電炉鋼板)の採用を開始すると発表した。
製品に使用する再生鉄(加工前)
キヤノンエコロジーインダストリーが回収した複合機から取り出した鉄(左:銅が付いた状態の鉄、右:純度99%に分別した鉄)
鉄材料は、キヤノンのプリンティング製品では樹脂材料に続いて、重量比で2番目に多く使用されている材料。今回、電炉鋼板の加工特性を見極め、加工工程の最適化を図ることなどにより採用が可能になった。
また、電炉鋼板を作るためにはプラスチックや銅など、鉄以外のものを徹底して分別した鉄スクラップを必要とする。グループ会社のキヤノンエコロジーインダストリーでは、回収した使用済み複合機から鉄スクラップを高精度に分別し、純度を高めた鉄スクラップを電炉鉄鋼メーカーである東京製鐵に売却しており、2020年4月から2024年3月までの合計で、5,000トン以上納入している。
キヤノンは東京製鐵に鉄スクラップを提供するとともに、東京製鐵が製造した電炉鋼板を活用し、環境に配慮した製品の開発・設計、生産を行うことで、限りある資源の循環および有効活用を促進していく。
〈キャノンのデジタルプリンティング事業の資源循環率目標〉
資源循環率は、プリンティング事業の販売総重量に占める再生材料や再生商品の割合を示す数値であり、2022年度の実績約16%に対し、2025年に20%、2030年に50%を目標にしている。グローバル各地域の再生拠点においては、資源循環率を高めるために、再生資源(鉄、非鉄、プラスチックなど)の分別精度の向上や再生複合機での再利用部品率の向上、再生材(クローズ)の種類と生産量の増加などに取り組んでいる。リユース・リサイクルの向上活動により、2023年の資源循環率は約17%となっている。
(IR universe rr)
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