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巨大化した亜鉛精錬業と縮小が懸念される亜鉛鉱山業、どうなるKZC

 鉄鋼生産は世界中で行われているビジネスで、世界で鉄を生産していない国はごく限られている。その鉄鋼構築物の寿命を延ばしている材料は亜鉛である。女性の美を支えている化粧品の様な存在と言えば判り易い。

 

 世界の亜鉛需要の6割が鉄鋼の寿命の延長を支えている。特に近年大型構造物などのインフラの寿命が懸念される我が国では無垢の鉄鋼構造物など見かけなくなった。

 

 世界の亜鉛精錬業は、Korea Zinc、Nyrstar、Glencore、Hindustan Zinc、 Nexa Resources, Bolidenと生産規模が巨大化している反面、世界の大型亜鉛鉱山の規模が釣り合わず、小さい事が少し気になる。しかも上位6社で見ても、その鉱山生産規模は製錬規模の半分でしかない。

 

 

 新春早々世界一の亜鉛製錬会社である隣国Korea Zinc高麗亜鉛の取締役会が紛糾しているとのニュースが流れた。昨年10月にも同様のニュースが伝えられたが、現在政治的に不安定化している韓国で最大手企業となったKorea Zincの創業家であるChoi家とChang家の間で、その経営権を巡って争いが続いている。

 

 Chang家はYoung Poongの精錬所も別途保有しているが、Korea Zincの株式保有率は15.6%に過ぎない。一方のChoi家も33.1%の株式を保有するが、過半数の株式は保有していない。

 

 50年前筆者が未だ若い頃、当時勤務していた社長へChoi氏が面談に訪れた。社長から面談に同席せよと言われ2人の経営者の話を一緒に聞いていた事がある。そのChoiさんはコロンビア大学で社長の後輩と言う縁を頼って訪問してきた。会談は大変良い雰囲気で進んだ。

 

 Choiさんは会社が運営していた小さな錫製錬所の見学許可を得るために訪問した事が分かった。人柄の大変良い我が社長は、早速見学を許可した。その後Choiさんは韓国で錫製錬所を建設し、Korea ZincはChoiさんの下で大きな発展をした。今や世界一の亜鉛生産会社となった。

 

 鉄鋼分野でも日本製鉄は中国の鉄鋼生産に大いに寄与し、今では日本は中国の発展の陰に隠れた存在になった。東アジアの民族はいずれも大きな力を持った優秀な民族である。

 

 しかし東アジアでは、どうもかつて日本が起こした戦争の結果もあるかも知れないが、どこかお互いに助け合う雰囲気が希薄で、競争の激しい事以外に市民レベルの文化交流が希薄で、国同士の信頼関係を支える土台も怪しい雰囲気に感じる。お隣の事ではあるが、株主同士で争っている場合なのか、韓国経済の行方は如何に。

 

(IRUNIVERSE Katagiri)

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