1月の銅の概況及び2月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 8500-9500ドル ↓
建値 131万-156万円 ↓
為替 150~160円 (1か月間TTM) 円高
■国際概況
トランプ米大統領によるカッパーとアルミへの関税賦課の発言や中国財新製造業PMIが予想を下回り中国景気不安が高まるなか中国での需要減少が警戒などの悪材料もあったがトランプ米大統領による中国からの輸入に対する関税賦課に消極的な発言を受けて上昇
月末日 スタート価格から269ドルUPの8925ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
159.18 → 155.43(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-8.5%の64万5363台
輸出は前年同月比-7.8%の37万9074台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+10.1%の23万8906台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,持家,貸家が増加したが,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比2.5%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.6%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 62,957戸。
・前年同月比 2.5%減, 8か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 4,893千㎡。
・前年同月比 2.5%減, 8か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 787千戸。
・前月比 1.6%増, 3か月ぶりの増加
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量速報値は5万1,940トン、前年同月比2.4%減少した。2か月連続のマイナスとなった。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
【電線】
前年比-11.7%の47300t
うち 国内-11.7% 輸出が -9.6%
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -13.7%の4万1035t
スクラップ -35.9%の2万5993t
輸出推移
【輸入】
電気銅 +531.8%の139t
スクラップ +48.5%の1万1859t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-8.5%の64万5363台
輸出は前年同月比-7.8%の37万9074台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+10.1%の23万8906台
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,持家,貸家が増加したが,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比2.5%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.6%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 62,957戸。
・前年同月比 2.5%減, 8か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 4,893千㎡。
・前年同月比 2.5%減, 8か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 787千戸。
・前月比 1.6%増, 3か月ぶりの増加
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量速報値は5万1,940トン、前年同月比2.4%減少した。2か月連続のマイナスとなった。
12月の伸銅品の生産量は、14品目中8品目が前年同月実績を上回った。ただ、上回った品目のうち、銅管を除くと、比較的月の生産量が少ない品目が伸びて、主力の銅条などが下回った。
伸銅品の各用途別の需要概況は、あまり良い状況にない。これまで伸銅品生産のけん引役だった日系の自動車生産の勢いが、中国向けの不振など減速感が出てきた。半導体向けも伸銅品の需要に直結しやすいリードフレームを使う製品が回復しない。また住宅着工も回復しない。
銅条
同比2ヶ月連続マイナス。海外市場での日系の自動車販売不振の影響を受けるようになってきた。まだ生産量が落ち込んでいないが、自動車関連による上振れ要因が無くなってきた。半導体は、リードフレームを使った民生用の需要が伸びない。また、データセンターや車載向けの需要回復が鈍くなった。情報家電や通信機器関連では、スマートフォン向けだけが堅調で、それ以外の回復が遅れている。
黄銅棒
同比5ヶ月連続マイナス。新規住宅着工件数が伸びない。リフォームによる非接触水洗と温水便座向けの需要があるが、全体をプラスに底上げできない。
【電線】
前年比-11.7%の47300t
うち 国内-11.7% 輸出が -9.6%
【輸出】
電気銅 -13.7%の4万1035t
スクラップ -35.9%の2万5993t
【輸入】
電気銅 +531.8%の139t
スクラップ +48.5%の1万1859t
【見通し】
【自動車】
12月の自動車生産が-8.5%。1月国内販売台数が前年比+10.1%
販売が増加 生産は4カ月連続減少。
トランプ関税による自動車販売の影響に注視。
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量速報値は5万1,940トン、前年同月比2.4%減少した。2か月連続のマイナスとなった。
伸銅品の各用途別の需要概況は、あまり良い状況にない。これまで伸銅品生産のけん引役だった日系の自動車生産の勢いが、中国向けの不振など減速感が出てきた。半導体向けも伸銅品の需要に直結しやすいリードフレームを使う製品が回復しない。また住宅着工も回復しない
【電線】
前年比-11.7%の47300t
うち 国内-11.7% 輸出が -9.6%
大幅減少 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
銅建値が143万から1481万へ上昇するも再び144まで下落。
正月休暇から伸銅品生産減 発生減から在庫薄
長期在庫分は相場の急落により売らず買えずの膠着状態
メーカーは材料難ではあるがトランプ関税による影響で様子見。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
●米とトランプ大統領の関税政策
コロンビアに続きメキシコ、カナダ そして中国と交渉中ではあるが、あくまで交渉材料の一環であるが各国の対応によっては長期化や世界経済への影響もあり一時的な急落の可能性あり
●日米首脳会談
2月7日に開催される日米首脳会談での日本への関税やそれに対する日本の対応
代替策がキーポイント。
こちらも一時的な急落要因
これらを踏まえた今月の銅価格は 8500-9500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は150円~160円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては131万-156万円程度と予測。
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