触媒資源化協会創立50周年記念祝賀会が東京で開催
7日、都内の如水会館にて、触媒資源化協会の創立50周年を記念する祝賀会が開催された。祝賀会に先立ち、京都大学の山田教授が「基礎科学は社会にどう役立つのか?」と題したゼミナールを行い、粒子線、反物質、非球面鏡、超電導などの概念が発見から実用化までの歴史を振り返り、科学技術の社会的意義について語った。
祝賀会は、触媒資源化協会の副会長である永井俊一氏の開会の辞で始まった。永井氏は、近年注目されている「ウェルビーイング」や環境負荷の軽減に加え、社会の健康や安心して暮らせる生活の重要性を強調し、協会が新たなスタートを切るにあたり、より良い社会の構築に向けて邁進していくことを表明した。
(触媒資源化協会 永井副会長)
続いて、触媒資源化協会の会長である安田豊氏が挨拶を行った。安田氏は、協会が1975年に触媒工業協会の廃触媒研究会を母体として発足した経緯を説明し、触媒のリサイクルだけでなく、金属リサイクラーや商社との連携を通じて、レアメタルや貴金属のネットワークを拡大してきたことを振り返った。現在、協会は正会員37社、賛助会員12社で構成され、活発な活動を展開している。また、会員間の良好な関係がビジネスの成功に不可欠であると述べ、今後も国内外でのネットワーキングの拡大を目指す意向を示した。
(触媒資源化協会 安田会長)
経済産業省製造産業局素材産業課の山崎将弘課長補佐は、資源循環の重要性について言及し、昨年末に開催された循環経済に関する閣僚会議での議論を紹介した。山崎氏は、金属廃棄物を資源循環につなげるための付加価値創出が重要であり、国際的なルール作りや情報公開のスキームを通じて、資源循環の推進に取り組むことを表明した。また、日本経済がデフレ型から成長志向型へ移行する中で、賃上げと投資の継続が重要であると指摘し、価格転嫁の環境整備にも言及した。
(経済産業省製造産業局素材産業課 山崎課長補佐)
一般社団法人触媒工業協会の遠藤晋会長は、触媒資源化協会と触媒工業協会が協力して触媒のライフサイクルを支えてきた歴史を振り返り、リサイクルの重要性を強調した。遠藤氏は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、触媒の役割がさらに大きくなると述べ、今後も両協会が連携して持続可能な社会の実現に貢献していくことを表明した。
(触媒工業協会 遠藤会長)
最後に、一般社団法人新金属協会の石垣宏毅専務理事が乾杯の音頭を取り、触媒資源化協会の50年の歴史を称えるとともに、今後のさらなる発展を祈念した。石垣氏は、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルが注目される中で、触媒リサイクルの重要性が高まっていることを指摘し、協会の今後の活躍に期待を寄せた。
(新金属協会 石垣専務理事)
祝賀会は、参加者一同が触媒資源化協会の50年の歩みを振り返り、今後の発展に向けて意気込みを新たにする場となった。
(IRuniverse Lin)
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