エンビプロ中間期、スクラップ価格下落で減収減益

エンビプロ・ホールディングスは13日、2025年6月期中間期の決算短信を発表した。プラスチック燃料化事業や物流代行サービスは堅調だったものの、鉄スクラップ価格の一時的な急落や為替変動などの影響を受け、減収減益での着地となった。売上高は前年同期比3.9%減の247億8300万円、営業利益は47.7%減の3億8000万円、経常利益は64.3%減の3億5900万円、親会社株主に帰属する純利益は52.9%減の3億2600万円となった。
資源循環事業の売上高は0.6%減の102億2500万円(前年同期比)、セグメント利益は37.8%減の4億9000万となった。市況の影響を受けにくい解体、プラスチック燃料化事業は堅調に推移した一方、鉄スクラップ価格の一時的な急落の影響は大きく、待遇改善による人件費や設備投資による固定費増加も影響。収益が大幅に下落した。また、ポリマー製品製造では、原材料価格等の上昇に対して製品価格への転嫁が遅れ、減益となった。
グローバルトレーディング事業の売上高は7.8%減の160億8600万円、セグメント利益は94.3%減の1600万円。物流代行サービスは需給バランスを見定め適正価格でサービスを提供したことで堅調に推移したが、金属原料のトレーディング事業ではスクラップ価格下落と為替変動の影響により出荷数量は減少。セグメント全体では減収減益となった。
リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は13.1%増の8億1200万円、セグメント利益は28.2%減の9400万円となった。レアメタル相場が前年同期を下回る水準で推移しつつも、茨城工場の本格稼働開始と加工受託の取扱量を増加させたことで、生産数量は前年同期を上回り、売上は増加した。しかし、新工場稼働により固定費は増加し、結果的に利益が減少した。
なお、同社は中間決算や業界環境を踏まえ、2025 年6月期の業績見通しを同日に下方修正した。一時的な円高の進行、海外の鉄鋼需要の減退により鉄スクラップ輸出は鈍化。国内の鉄スクラップ価格も下押しされた影響を受け、主力である資源循環事業とグローバルトレーディング事業で売上・利益ともに業績予想値を下回る見通しだ。
業績見通しの修正(同社発表資料より引用)
(IRuniverse K.Kuribara)
関連記事
- 2025/07/12 欧自動車ステランティス、中国合弁が破産 国産車人気にあらがえず
- 2025/07/11 環境省 令7「自治体CE診断・ビジョン作成」 「循環型ビジネスモデル実証事業」公募採択結果公表
- 2025/07/11 PFU ビン色選別やLiB検知の廃棄物分別特化AIエンジンを開発(後)
- 2025/07/11 PFU ビン色選別やLiB検知の廃棄物分別特化AIエンジンを開発(前)
- 2025/07/11 東レリサーチセンターと積水化学 二次電池評価試験に関する連携開始
- 2025/07/11 ビスマス輸入Report#4 中国取引制限後 韓国から大阪への輸入集中
- 2025/07/11 よう素輸出Report#7 2025年輸出平均単価下落に合わせて輸出量増加
- 2025/07/11 アンチモン輸入Report#17塊粉 輸入平均単価 1年半で5倍上昇
- 2025/07/11 アンチモン輸入Report#16酸化物 2025年5月まで16か月間で輸入平均単価5倍上昇
- 2025/07/11 BASFと雲天化 安定化尿素肥料使⽤でGHG排出削減