エフピー化成工業 バイオ素材研究開発他で資金調達を実施
新たな資金調達により、エフピー化成工業株式会社の事業拡大とイノベーション加速
資金調達概要
「環境へ配慮したプラスチックと共存する世界」を目指すエフピー化成工業(本社:静岡県富士市、支店:静岡県浜松市、代表:赤澤 英郎)は、3月3日、植物由来のセルロースファイバーを活用した次世代型素材のさらなる研究開発及び品質向上のため、第三者割当による資金調達を実施した。
引受先は、信金キャピタルがGPとして設立した「やらまいかファンド(LP:浜松いわた信用金庫)」、「ぬましん未来応援ファンド(LP:沼津信用金庫)」、「しんきんの翼第2号ファンド(LP:信金中央金庫)と信用金庫連合の座組となる。調達資金は、将来的な自動車部品への実装化や新商品開発等により、環境負荷を低減し循環型社会実現を捉えた事業を進めていく。
環境に革命を起こす次世代の新素材「グリーンチップ® CMF®」
エフピー化成工業株式会社は、ポリプロピレンやポリエチレン、PLAなどの熱可塑性樹脂に天然素材であるセルロースファイバーを配合した「グリーンチップ® CMF®」を株式会社巴川コーポレーションと共同開発した。この新素材はプラスチック成形に必要な流動性を確保しており、セルロースファイバーを高配合(51%以上)のまま使用できる。また、大量生産が可能なため、生産コストも大幅に抑えることに成功し、日用品から自動車部品、建材まで幅広い分野での展開を想定している。
「グリーンチップ® CMF®」に混錬しているセルロースファイバーは天然植物由来であることから、生産、廃棄における環境負荷が小さく、リサイクルが容易な再生可能資源として、注目されているバイオマス素材。この素材を樹脂に均一分散することで耐熱性や強度が向上し、環境負荷が小さいうえに、機能性が高い新素材として、様々な分野で導入検討が進んでおり、プラスチックに変わる高性能の素材として注目されている。
開発された「グリーンチップ® CMF®」は、独自の特殊製法により、高配合のまま使用することができ、化石燃料由来のプラスチックやCO2の削減に大きく貢献できる。また、繰り返しリサイクルしても劣化しにくいなど、サーキュラーエコノミーの実現にも貢献できる。2023年11月には樹脂とセルロースという燃えやすい素材を組み合わせながら、一定の強度も保ちつつ、難燃性能を付与した配合技術を大手分析機器メーカーと共同開発に成功し、既に実装されている。
現在は、自動車車載部品など成形テストの実験段階であり、実装に向け開発が進んでいる。また、文具や容器などの日用品への引き合いが進み、すでに環境配慮型の食器などの自社ブランド「Mawal(マワル)」(https://mawal.jp)の製造・販売を開始。この製品は「グリーンチップ® CMF®」で生産されており、独特の質感と機能を持ち合わせた、今までのプラスチック食器にはない設計が施されている。また高いリサイクル性を普及させていくための「リサイクルプログラム」も設定しており、この先さまざまな用途・場面へ採用されていくと期待される。
「Mawal(マワル)」(https://mawal.jp)
「Mawal」のリサクルプログラム
※グリーンチップ® CMF ®は株式会社巴川コーポレーションの登録商標。
※グリーンチップ® CMF®は株式会社巴川コーポレーションとエフピー化成工業株式会社との共同開発品。
※Mawalはエフピー化成工業株式会社の登録商標。
(IR universe rr)
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