2月のアルミ概況および3月の見通 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2500-2700ドル →
スクラップ 据え置き~ ―5円(前月最終価格より) ↓
為替 145-155円 (一か月間TTM) 円高
■国際概況
米中貿易戦争懸念やトランプ米大統領による鉄鋼・アルミニウムの輸入関税25%の引き上げなどマイナス材料があったが、AIデーターセンター建設などによる需要増加観測やトランプ政権による輸入課税の可能性を受けた米側駆け込み需要をうけ上昇
月末日 スタート価格より57ドルUPの2655ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
155.43 → 150.67(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると1月の自動車生産台数は前年比+18.2%の64万8550台
輸出は前年同月比+3.2%の28万9623台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると2月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+15.9%の26万2755台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
1月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比4.6%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.2%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 56,134戸。
・前年同月比 4.6%減, 9か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 4,273千㎡。
・前年同月比 4.9%減, 9か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 774千戸。
・前月比 1.2%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +5.2% 12万3739t プラスに反転
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +0.2% 5万4309t 6カ月ぶりプラス
出荷 +1.2% 5万3950t 6カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
【貿易指標】
【輸出】
新地金 -20.9%の269t
二次合金 -7.58%の731t
スクラップ -21.5%の2万9494t
アルミ缶 +8.3% 5479t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -16.5% 8万596t
二次合金 -3.4%の9万9934t
スクラップ +61.3%の780t
合金スクラップ -7.4%の7649t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると1月の自動車生産台数は前年比+18.2%の64万8550台
輸出は前年同月比+3.2%の28万9623台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると2月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+15.9%の26万2755台
【住宅着工戸数】
1月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比4.6%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.2%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 56,134戸。
・前年同月比 4.6%減, 9か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 4,273千㎡。
・前年同月比 4.9%減, 9か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 774千戸。
・前月比 1.2%減, 先月の増加から再びの減少
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +5.2% 12万3739t プラスに反転
板 類 7万5468t +5.4% 3カ月連続プラス
押出類 4万8297t +5% 6カ月ぶりプラス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +0.2% 5万4309t 6カ月ぶりプラス
出荷 +1.2% 5万3950t 6カ月連続マイナス
【輸出】
新地金 -20.9%の269t
二次合金 -7.58%の731t
スクラップ -21.5%の2万9494t
アルミ缶 +8.3% 5479t
【輸入】
新地金 -16.5% 8万596t
二次合金 -3.4%の9万9934t
スクラップ +61.3%の780t
合金スクラップ -7.4%の7649t
【見通し】
【自動車】
1月の自動車生産が+18.2%。2月国内販売台数が前年比+15.9%
販売、生産共に増加。
トランプ関税による自動車販売の影響はあるがまだ先か?
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +5.2% 12万3739t プラスに反転
今後に期待
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +0.2% 5万4309t 6カ月ぶりプラス
出荷 +1.2% 5万3950t 6カ月連続マイナス
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫はLME価格が2598から2655ドル台と上昇局面だったが円高で相殺される形で価格は下落
メーカー在庫は自動車生産の減少やトランプ関税による先行き不透明感から積極的に買いたくはないが材料難から購入姿勢。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
●米とトランプ大統領の関税政策
3月4日午前0時1分をもって、メキシコ、カナダへ25% 中国10%の追加関税が賦課された 他国への関税も予告しており今月は混乱から相場は下落傾向
●3月のFOMC
今月開催予定のFOMC通常であれば据え置きから利上げのインフレ対策モードであるがトランプ米大統領が利下げを言及しており据え置きから利下げ予測。
これらを踏まえた今月のアルミ価格は 2500―2700ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~155円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては 据え置きからマイナス5円程度と予想している。
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