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どこまで上がるゴールド 江守氏「将来1万ドル超えも」世界のアナリストも予想修正

 

 金価格の快進撃が続いている。国際標準のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物価格は3月18日に一時$3037.6/tozと過去最高値を更新した。3月14日に節目の$3000に乗せた後も上昇が続く。エモリファンドマネジメントの江守哲・代表取締役兼最高経営責任者(CEO)は「将来的に$1万2500程度まで上げることもあり得る」と話す。

 

■月内3100ドル、夏までに3500ドルか

 

過去20年間のNY金相場の怪異($/toz)

 

 江守氏は「普段はレンジ予想はしないのだが」と前置きしたうえで、「足元3月中は$2900-3100、夏までの中期で$3300-3500程度」との見通しを示した。

 

■UBS見通し引き上げ、米投資ファンドは4000ドル予想

 世界のアナリストからも強気な見方が相次ぐ。3月17日のinvesting.comは、「スイス金融グループUBSグローバルは3月16日発表のメモで、金相場の短期見通しをこれまでの$3000から$3200に上方修正した」と伝えた。

 また、米投資ファンドのダブルライン(loubleline)のCEOで、「債券王」の異名を持つジェフリー・ガンドラック氏は3月11日の公開ブログで、「金は$4000まで上昇する」との見方を示した。

 

ダブルラインのプレスリリース:doubleline.com/markets-insights/gundlach-macro-outlook-not-in-my-neighborhood/

 

■地域紛争とトランプ旋風で安全資産買い

 金相場の押し上げ要因はいくつかある。まず第一に、世界的な景気の先行き不透明感に伴う、安全資産としての需要拡大だ。ガザでの空爆など地域紛争の終結が難航しているほか、米国を中心とした関税の応酬も不透明感を誘う。UBSは、特にトランプ政権が4月2日に発表する予定の貿易調査結果を考慮し、広範で長期にわたる貿易戦争の可能性を25%から35%に引き上げたと伝わった。江守氏も「トランプ米政権の関税引き上げが貿易戦争を招き世界経済の先行き不透明感を増す。このため、今後も安全資産としての金の堅調な需要が見込まれる」と話す。

 第二に、特に新興国を中心とした外貨備蓄としての金購入の動きだ。金融アナリストの川上敦氏は3月4日のオンラインセミナーで、中国やロシアなどの新興国がドル資産の購入を減らす代わりに金購入を増やしている実態を指摘した。

 

各国の金準備高の推移

(出所:3月4日の川上敦氏「Chuck Kawakamiの金融経済Now」資料)

 

 一方で、供給は鉱物資源である以上は有限だ。国際組織のワールド・ゴールド・カウンシル(world gold council)が2月に発表した資料によると、2024年の世界の金の供給量は4974.5トンで、前年比1%増だった。リサイクルなども進むが簡単に供給が増やせるわけではない。ちなみに2024年の金需要量も4974.5トンで、需給はちょうど同量だった。

 

2024年の金供給量

(出所: world gold councilホームページ)

 

■米ドル高で足踏みか

 もちろん、短期では価格が足踏みする可能性もある。野村証券金融経済研究所経済調査部コモディティ調査の高島雄貴エコノミストは2月、IR Universeの取材に対し「「金はインフレとドル相場が価格変動要因になり、ドルとは逆相関関係にある」と話した。金はドル決済なのでドル高が決済面での重荷になる。また、米インフレで米ドルが上昇すれば、投資資金が金から同じ安全資産の1つであるドルへと移行すると考えられる。

 それでも、金価格には悪材料よりも好材料が多く、中長期的な金相場の上昇期待は根強い。「金本位制」が終了して半世紀。されど金、やっぱり金、なのである。

 

(IR Universe Kure)

 

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