CO2資源化研究所 CO₂から芳香族化合物を生成する技術開発を加速
-化石資源に依存しない未来へ-
株式会社CO2資源化研究所(本社 東京都港区 代表取締役 湯川英明)は、3月24日、二酸化炭素(CO₂)を原料とする芳香族化合物(フェノール・4-ヒドロキシ安息香酸(4-HBA)・カテコール・プロトカテク酸など)の生成技術を開発したと発表した。同技術は特許を出願済みであり、今後の実用化に向けた検討を進めている。
芳香族化合物は、プラスチックや樹脂、医薬品、香料、染料など、私たちの身の回りで幅広く利用される重要な原料で、現在その多くは石油化学プロセスによって生産されているが、CO₂排出による環境負荷や、原油価格の変動、地政学的リスクの影響を受けやすいという課題を抱えている。近年、カーボンニュートラルの実現に向けて、化石資源に依存しない持続可能な生産方法の確立が求められている。
- 技術概要 -
UCDI®水素菌は、CO₂と水素で有機成分を作り出すという、極めて潜在能力の高い菌体。同社は、独自の酵素触媒技術を組み合わせることで、UCDI®水素菌において芳香族化合物の生合成経路の構築に成功し、CO₂から芳香族化合物を生成する新しい技術を確立した。
従来の化石資源由来と比較し、CO₂排出量を大幅に削減することが可能な上、バイオマス由来の芳香族化合物と比較しても優れた優位性を発揮する。バイオマスは原料確保や物流コストが課題となる一方、同社技術はCO₂という普遍的な資源を活用するため、安定的かつ持続可能な生産が可能だ。
UCDI®水素菌による芳香族化合物は、化石資源や農産物に依存せず、環境負荷の低減と資源の安定供給を両立する新たなアプローチであり、経済安全保障の観点からも、化学産業全体の持続可能性に貢献する革新的な技術になる。
同社は2015年の設立以来、「革新的なバイオ技術を駆使して水素をエネルギー源にCO₂の資源化を実現し食糧問題と地球温暖化対策に貢献する」をミッションに掲げ、独自の「UCDI®水素菌」を核にCO₂を資源化する研究とその事業化に向けた取り組みを、多くの共同研究先企業とともに着実に進展させてきた。
同技術の実用化に向け、今後も技術革新を重ね、カーボンリサイクル社会の実現に向けた取り組みを強化していく。
株式会社 CO2 資源化研究所/Utilization of Carbon Dioxide Institute Co., Ltd.
<会社概要>
本社/研究所 東京都港区台場2丁目3-1 トレードピアお台場14階
代表者 代表取締役・CEO/CSO 湯川 英明
設 立 2015年8月
資本金 2億4,700万円
<事業分野>
同社は、CO₂を栄養源として、24時間で1個体が1,600万個(1グラムが24時間で16トン)に増殖する「UCDI®水素菌」を核に革新的なバイオ技術を高度に利用し、研究開発・事業化を進めている。
Biofeeds(飼料用動物性たんぱく素材)、ヒト用プロテイン、バイオ燃料・SAF、各種化学品の4事業分野において、食糧問題解決と脱石油社会を実現していく。
※「UCDI」はUtilization of Carbon Dioxide Institute Co., Ltd. の英文社名略称で登録商標。
(IR universe rr)
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