ORIXグループとAGC 国内初 窓ガラスの水平リサイクル事業のスキームを構築

~板ガラスのサーキュラーエコノミーの実現に向けて協業を開始~
オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:髙橋 英丈)、オリックス環境株式会社(本社:東京都港区、社長:山下 英峰)および AGC 株式会社(本社:東京都千代田区、社長:平井 良典)は、3月25日、集合住宅などの改修工事で発生する廃棄窓ガラスについて、国内初※1 となる水平リサイクル事業のスキームを構築しました。
水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として、再び同じ種類の製品を製造する取り組みで、廃棄物の削減や資源の節約により環境負荷の軽減につながる。今回の協業では、廃棄物処理事業者のオリックス環境が廃棄窓ガラスの回収およびサッシの分離を行い、次にガラスのリサイクル事業を展開する TRE ガラス株式会社(TRE ホールディングス株式会社の連結子会社、本社:東京都江東区)がカレット(ガラス端材)の精製および品質確認を実施し、最後に AGC が当該カレットを用いて新たな建築用板ガラスを製造する。各社の強みを生かすことで、経済的に持続可能な水平リサイクルの運用体制を構築しました。なお、オリックスは、同スキームの構想および全体のマネジメントを担った。
現在、国内で建築物から発生する廃棄窓ガラスは年間 50 万トン以上とされ、主に埋め立てや、元の製品よりも品質が低い製品として再利用するカスケードリサイクルによって処理されている。本スキームで窓ガラスを水平リサイクルすることで、産業廃棄物の削減のみならず、ガラス製造時のカレット使用比率の増加により、珪けい砂しゃやソーダ灰などのバージン原料※2 の使用量の節減※3 や、原料の輸入率低減に寄与する。また、カレットはバージン原料と比較して低温で溶解できるため、製造工程におけるGHG 排出削減※4 にもする。今後は、パートナー企業のさらなる参画を推進し、同スキームの拡大を目指すとともに、太陽光パネルや自動車の窓ガラスなど、建築用途以外の廃棄ガラスへの適用も検討していく。
窓ガラスの水平リサイクル事業スキーム図
※1 AGC 調べ。
※2 再利用されていない新しい原材料のこと。
※3 リサイクルされたカレットを 1 トン利用するごとに、1.2 トンのバージン原料を節減できる見込み。
※4 バージン原料をカレットに代替することで、溶解に必要な熱エネルギーを削減でき、ガラス 1 トンあたり原料調達から製造までで 0.5~0.7 トンの GHG 排出量を削減できる見込み。
(IR universe rr)
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