Lake Resources社 アルゼンチンのKachiリチウムプロジェクトの戦略的見直しで市場の過小評価修正へ
豪Lake Resources社は5月7日、開発中のアルゼンチンのKachiリチウムプロジェクトに関して、同社の取締役会メンバー全員から構成される特別委員会を設置し、あらゆる戦略的代替案を評価・検討することを決定したとの声明を発表した。同プロジェクトの戦略的見直しに着手するということで、同社株価は同日、この報告を受けて9パーセントほどの上昇を見せた。
同社によればこのプロジェクトは、南米の“リチウム・トライアングル”を横断する最大の独立プロジェクトで、同地域最大のリチウム資産のひとつ。他にも、以下のような特徴が挙げられている。
・フェーズ)でのプラント生産能力は電池グレード炭酸リチウムで25ktpa2、これに加えさらなる拡張の可能性
・炭酸リチウム換算で1,060万トンを超える総資源量
・2023年12月に完了したフェーズ1の確定的事業化調査では不純物除去率99.9%、リチウム回収率80%達成
・現在は掘削準備段階。探鉱環境影響評価も順調に進んでおり、2025年半ばに承認見込み
同社は今回戦略的見直しに至った理由として、“Kachiプロジェクトの本質的価値と戦略的重要性が市場から著しく過小評価されている”点を挙げると共に、“アルゼンチンにてリチウム・プロジェクトを保有する複数の企業が現在のそれらの時価総額をはるかに上回る提案を受けた、という最近のいくつかの発表も後押ししている”ことを明かしている。
同社のStu Crow会長は、現在リチウム価格は低迷しているものの、需要の長期的なファンダメンタルズは強固なものであることを強調した上で、「戦略的バイヤーがアルゼンチンのリチウム・プロジェクトに公開市場の評価をはるかに上回る価値を付与している最近の例を、我々は目撃してきました」、「我々は、KachiプロジェクトとLake社の現在の株価にもこの動向が当てはまると考えています」とコメント。今回発表した戦略的見直しを通じて、(特別委員会が)この矛盾に対処し、潜在的なバリューギャップを埋めることに集中すると述べている。
なお、具体的な戦略的見直しの内容としては、Kachiに対するLake社の持分の全部または一部の売却の可能性、Lake社の売却または合併の可能性、リストラ構想、パートナーシップまたは合弁事業の体系化などが、“検討されうる選択肢“として列挙されている。
(IRUNIVERSE A.C.)
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