豪州最大のアンチモン供給に自信を見せるLarvotto Resources社 HillgroveプロジェクトのDFS完了
豪州企業Larvotto Resources社は5月6日、自社がニューサウスウェールズ(NSW)州に100パーセント所有するHillgroveアンチモン-金プロジェクトの最終的な事業化調査(DFS)が完了したことを報告し、非常に優れた開発機会であることをあらためて確認できた旨、そして西側諸国有数のアンチモン生産者となるべく引き続きプロジェクトを進める旨などを発表した。同プロジェクトはLarvotto社によって1年半前に取得されたもので、同社はそれ以降DFSを進めてきた。
DFS結果詳細はこちら:https://www.larvottoresources.com/wp-content/uploads/2025/05/61263462.pdf
同社は今回のDFS完了を“重要なマイルストーン”と評価。DFSからは、同プロジェクトが“技術的に強固で経済的にも魅力的な開発機会”で、“利益率の高い重要鉱物プロジェクト”であり、“生産への迅速な道筋がある”ことなどが確認されたと述べている。優れた経済性の具体例としては、例えば中位価格シナリオではLOM平均EBITDAが年2億5,000万豪ドル、税引き後フリーキャッシュフローが年1億2,800万豪ドルに達したとのこと。また、DFSの結果、このプロジェクトでは当初8年の鉱山寿命が概算されているものの、隣接鉱床の既存資源が順次埋蔵量に転換されるにつれて大幅な寿命延長が見込まれることも明らかになった。
アンチモンの生産開始は2026年が見込まれており、金相当量で平均85,000オンス/年の生産が予定されているという。これは豪州最大のアンチモン供給者になるということを意味しており、また、世界的な供給が逼迫し欧米諸国政府が戦略的サプライチェーンを優先するなかで、世界のアンチモンの約7パーセントを供給する存在となる見込みであるとも記されている。なお、既存の年産25万トンの鉱物処理プラント(MPP)を名目処理能力年産52万5000トンへと拡張することも計画中とのこと。さらに、 “このDFSは非常に保守的な冶金学的回収率と精鉱の品位を用いたため、実際の処理の際には上方修正(アップサイド)が期待される”とも述べられている。
(IRUNIVERSE A.C.)
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